本日の講師は11組担任の石代(こくだい)吉史先生でした。
石代先生は、サッカー王国・静岡県のご出身で、ご自身も幼少期からサッカーに親しんで青春時代を過ごしてこられました。今回はその実体験の中からのエピソードを紐解いて、お話しいただきました。
地元の、全国的にもサッカー強豪校として有名な「清水東高校」が正月の全国高校サッカー選手権で初優勝を飾った際の優勝インタビューで、キャプテンの「日本一の練習をしてきたんだから優勝して当然です。」という、自信に満ちあふれ、毅然とした言葉に子供ながらに憧れにも似た感情を抱き、サッカーをやろうという気持ちをお持ちになったそうです。
高校でも、サッカーに明け暮れる毎日で、1年生では、なかなかボールが触れないため、全体練習が終わった後に、来る日も来る日もシュート練習を繰り返し、一人グラウンド整備を終えて帰宅するという日々でした。サッカーに関しては自分なりに努力を重ねているという自負を持ちながら練習を続け、高校1年の冬の選手権予選では、ベンチ入りを許され、途中出場の機会をもらい、ここぞというチャンスに得点を挙げることができたそうです。
高校2年のある日、1対1のボールキープ(1分間、一方はボールを奪われないようにキープし続け、他方はそのボールを奪う練習)で、同級生で体格も小さく、技術もうまいとは言えない友人に、練習相手になって欲しいと言われ、練習をし、1分間が終わった後に突然、「コクさん、僕が下手だからと言って手抜きしてるだろ、真面目にやってくれ」といわれたそうです。手抜きしているつもりもなく、見下したり軽く扱ったつもりもなかった石代先生は、その予想外の言葉に驚き、衝撃を受けました。
サッカーに妥協無く取り組んでいるという思い込みは、慢心であり、自分の意識しないところで、そういう思い上がったような気持ちが表れたのだと痛切に感じた・・・とのことでした。このことがあって以降、人生において、常に「コクさん、手抜きしてるだろ」という言葉を自分に投げ掛け続けているそうです。
今日のお話はサッカーの体験談の中に数多くの教訓が読み取れます。どれだけその教訓に気づき、『はっ』となりましたか?その数が多ければ多いほど、この仏参の時間は、有意義な時間になっていきます。
高校1年生の皆さん、石代先生のこの問い掛けの言葉を皆さんも自分自身に問い掛けてみませんか?きっと今までの自分の甘さやおごりの気持ちがはっきりと見えてくるはずです。