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朝の仏参 2017年10月18日(水)12時30分

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本日の仏参のお話は、教頭の中森先生でした。中森先生は、高3年生の生徒に面接をする機会がありました。その際、次のような質問をされました。

「本校の建学の精神はなんですか」

多くの生徒が「三つ(ことば・じかん・いのち)の大切です」と答えたそうですが、それでは足りず、次のように補足され、忘れないように生徒たちに伝えられました。

「本校の建学の精神というのは、浄土真宗の精神。浄土真宗の親鸞聖人のみ教えに基づく教育理念を上に成り立っている。浄土真宗の精神というのは、ありのままの自分自身を見つめる眼を身につける、養うということです。自分自身を鏡に映したら、外面は見ることができる。でも、はたして外見は美しく着飾ったり整えたりすることはできるけれど、私自身の見えないところ、つまり心の中はどうですか。心が煩悩となって私たちは行いにあらわれてくるのです」

お話の後半は、大阪のお寺のご住職さんのお話でした。ご門徒のおじいさんがお参りにきてほしいと頼まれ、そのおじいさんの家でお勤めをしたあと、エンディングノート(遺書代わり)を紹介されたそうです。そして、ご住職さんが代筆されたのですが、最後の「残された者へのメッセージ」についてはおじいさんが自分で書くとのこと。その数ヶ月後におじいさんは亡くなり、お葬式の際にご住職さんがエンディングノートの最後の言葉を見て、心が震えたそうです。

たったひらがな三文字で、「またな」

なぜ「またな」なのか。浄土真宗では、私たしがいのち終えたとき、阿弥陀さまがおられる浄土で仏さまとして生まれさせていただく。そんなありがたいみ教えが浄土真宗であり、阿弥陀さまは私たちをつねに光によって照らして、私たちの見えない部分まで照らし、気づかせて下さる。この三文字の言葉は、「お浄土で再び出会うところがある、だからさびしくはないんだよ、そのいのちが尽きるまで強く明るく仲良くいきぬけよ」という、おじいさんのメッセージだったのです。

中森先生は「いのちはつきるからこそ、いま生きているこの時間を大切にしてください」とお話を締めくくられました。今朝の仏参は、生徒たちが本校の建学の精神とは何かを学び、いのちを大切にすることをあらためて考える時間となりました。