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後期スタート! 2020年10月05日(月)18時09分

 先日、「布施」ということばについて教えていただきした。きれいな心で自分のものを惜しまずに施すことを、古来「布施」という。しかし、この「布施」ということは、自分みずからはぬくぬくとして、余ったものを施し与えるというような、なまやさしいものではなく、自分にぜひ必要なものを、なくては困るものを、割いて与えることだそうです。そういうきびしい意味を持っていることを、この際自覚してください。だから、飢えを共にし、寒さを共にするという心があってこそ、「布施の行」は成り立つのです、との説明を受けました。
 これまた先日、昼休みに校内を巡視していると、ゴミ箱にパンのかけらが投げ捨てられていました。もったいないことだと思います。今、私たちは豊かな時代に生きています。食物もたくさんあります。お米などは余って困るほどです。しかし、その豊かさと比例して、ありがたい、もったいないという心が次第になくなってきていることを悲しく思います。ひとかけらのパンを食べることができないで、飢え死をしている人々がいることを思ってもらいたい。みずからのふやけた心をきびしくたたき直しもらいたいですね。
 話は少し脇道にそれますが、歴史小説作家の吉川英治さんは、いつも「顔施」ということを言っておられたそうです。何もなくても「顔施」だけはできます。「顔施」とは「顔」の施しです。いつもニコニコした顔を、明るくほほえんだ顔をすることです。そういう顔は、周囲の人々の心をどんなになごませることでしょう。どんなに勇気と慰めを与えることでしょう。
 縁あって、私たちはこの龍谷平安に集まってきています。思えば不思議な縁です。不思議な出会いです。この出会いを大切にしたい。そして、せめて明るい顔をして、互いに「顔施」をしようではありませんか。この平安を和やかな、明るい学校にしようではありませんか。