本日の仏参は,本願寺布教使の田坂亜紀子さんのお話です。田坂さんが,阿弥陀様のお気持ちを伝える『南無阿弥陀仏』のお言葉を,わかりやすくお話してくださいました。
『南無阿弥陀仏』とは,阿弥陀様のお気持ちを伝える言葉です。このお気持ちは,実際には見えないし触れることもできないものでありわかりにくいものだけど,とても大事なことを伝えているとのこと。これをわかりやすく伝えるために,「ヘレン・ケラー」のお話をしてくださいました。
ヘレン・ケラーは,視覚と聴覚の重複障害者でありながら,世界各地を歴訪し,障害者の教育・福祉の発展に尽くした人物でした。
幼少期は,視覚や聴覚がなかったので味覚や触覚を使い,克服しようと努力をしていたが,自分の思いを伝えることができずに,イライラしたり暴れたりという生活を送っていた。
そんな時,視覚障害をもったサリバン先生と出会い,人生が変わったそうです。それまで知らなかった言葉の意味を理解できたとき,大変嬉しく,人生に明るさを感じたそうです。その後も言葉を覚える訓練をしましたが,なかでも覚えることが難しかった言葉は『LOVE(愛)』だそうです。『愛』とは目に見えないものであり,触ることもできない,匂いもない,味もない,でもとても大事なもの。ヘレン・ケラーは,この『愛』を知ったことで本当の幸せを知ったと言われたそうです。
田坂さんは,このヘレン・ケラーのお話を通じて,「『南無阿弥陀仏』というお言葉も見たり触ったりできないものであるが,言葉を通じて阿弥陀様のお気持ちに出合うことができる。これが大切なことなんですよ。」とやさしく教えてくださいました。