HEIAN BLOG 高2学年 BLOG

記事一覧

9月26日仏参 2012年09月26日(水)10時12分

ファイル 52-1.jpg

本日の法話は宗教科の楠先生です。さすが宗教科、蘊蓄のあるお話です.鎌倉時代の『沙石集』(無住一円著)にある説話を参考にお話をして頂きました。
『ある山寺に、四人の僧がいた。七日間の無言(しゃべってはならない)の行を始めた。時間が経ち夜も更けてきたが、灯火が消えそうになったので、若い僧が「灯火の芯をかき上げなさい」と言ったのを聞いて、隣に坐っていた僧が「無言の道場にて、物申すとはいかがなことでしょう」と言った。さらに隣に坐っていた僧が、2人が物を言っているのを思いがけないことだと思い「世迷い事を申すものではない」と言った。上座に坐っていた僧は、それぞれが物を言ったことを、呆れて嘆かわしく思えて、「私だけが、物を言わない」と言って、うなずいていた。
 このことを思い考えてみると、人はこのような過ちから逃れるのが難しい。我が身の失敗には知らぬふりして、他人の失敗を聞いて、その人を謗っているのが、我々の日常の心持ちである。』
こんなふうに、私たち人間は、他人のことはよくわかるが、自分自身のことは、なかなかわからないものですねとお話を結ばれました。『人の一寸我が一尺』と言うのもあります。