コロナ禍の収束が見えない中、新年を迎えました。いよいよ最終学年となります。寒気にあわせて、身も心も引き締めてキリッとしてスタートを切ってほしいものです。
よく知っている諺に、「一日の計は朝にあり。一年の計は元旦にあり」というのがあります。英語にもNew year's Day is the Key of the year.「元旦は一年の鍵である」という諺があるそうです。洋の東西を問わず、人類の知恵とでもいうべきものかと思います。当たり前のことを言っていると思われますが、それだけに含蓄のある真理なのでしょう。
さあ、「一日の計、一年の計」を持ってみませんか。言い換えれば、自分の目ざすところ、目標・目的をつかめ、そして前へ進め、ということです。
若い人が、何もすることがない、退屈だ、だるい、などと言うのは、老化現象だそうです。若い人が、何もほしいものがない、したいことがない、目標がない、などと言うのは、豊かさの中の心貧しい症候群だそうです。そんな自分を放っておいて安逸をむさぼっていると、居心地のいいぬるま湯のはずが、実は蟻地獄であって脱出不可能になってしまうそうです。
そうならないためにどうすればいいか。それはみなさん一人ひとりが、自分という人間のドライバーをしっかり務めることです。自分をコントロールするのは自分、自分の主人は自分です。嫌なことでも、自分から逃げたり、ごまかしたりしないで、しっかり自分で自分を見つめ、自分の舵をとることです。自分で自分を見ていれば、必ず自分の目ざすところが見えてきます。ただし、前へ進みながら、行動しながら自分を見ていてほしい。何でもいい、小さなことでもいい。自分にできそうなこと、ちょっとやってみたいなと思うことをまず始めてみることです。小さな一歩でも踏み出すと必ず自信がついて、次の二歩三歩が出ますよ。ちがった自分が見えてくるかもしれませんよ。
(「一年の計」(学年通信「邂逅」15より)