3月1日卒業証書授与式が行われ、深く心を打たれました。1年後の姿を思い合わせると、明日を期せず、一期一会の覚悟をもってきびしく生きたいものである。
中国の于武陵の詩に、「花発多風雨 人生足別離」(花ヒライテ風雨多ク、人生別離オホシ)というのがあります。この詩を、作家の井伏鱒二さんは、「花ニ嵐ノタトエモアルゾ。サヨナラダケガ人生ダ」と訳しています。名訳です。いよいよお別れとなると、「サヨナラダケガ人生ダ」という実感がひしひしと迫ってきます。しかしまた、そうであればこそ、ますます名残を惜しみ、今日の出会いを喜び、人生のこのひとときを大切にしたい、という思いがこみあげてきます。一期一会(=邂逅)の世界を生きているのですから。