本日の仏参は国語科の加来先生のご講話でした。
加来先生は、大学時代にアルバイトで貯めた10万円で、フィリピンでの10日間音楽ボランティアに参加された経験から、次のようにお話しくださいました。
音楽ボランティアとは、音楽にあまり触れる機会のない子ども達に、オーケストラが演奏するという内容です。出かけた先はフィリピン。ハッピーランドという所は、足下に黒い油だまりがあるような場所。そこを通りかかると子ども達が寄ってきて勝手に靴磨きをし、“Give me money!”と要求してきたそうです。「こんな子たちに果たして音楽はつうじるのだろうか!?」と加来先生は不安になったそうです。訪れた小学校でオーケストラ演奏すると、子ども達はおそらくそんな習慣を知らないだろうにstanding ovation をして、目をキラキラと輝かせて拍手をして喜んでくれたそうです。
最後に訪れた小学校には日本人女性の先生が赴任しておられ、次のように問いかけられたそうです。「でも皆さんがこのボランティアに参加するために使ったお金をもし寄付されていたら、どれだけの命が世界で助かったか、想像できますか?」と。加来先生は演奏会の成功による高揚した気分に水を差されたようで、その時は少し不満を感じたそうです。
その後、帰国してしばらくしてフィリピンでの経験を思い出したとき、加来先生は気づいたそうです。「あの先生は、演奏会と子ども達の経験に満足された上で、『演奏してくれた若者たちにとって、単なる自己満足で終わらせてほしくない』という深い思いから話してくださったんだ。」加来先生は子ども達の笑顔を思い出しながら、あの言葉をかみしておられるそうです。
いよいよ来週は研修旅行にでかけます。
「10万円あったら、皆さんは何に使いますか?」この言葉を、自分に問いましょう。