今日は3限目に高3の成道会があり、最後の大きな行事がありました。講師は宗教科の石川先生で、「究極の賢さと究極の優しさ」についてお話されました。
まず最初に、長い棒を取り出して「持っている棒を触ることなく短くするにはどうしたらいいか」と、生徒たちに投げかけました。生徒たちはこぞって返答する中、一人の生徒が「横に長い棒を持ってくる」と発言。そのとおり長い棒を持ってくることで、最初の棒は相対的に短くなりました。私たちは、こうした比較や区別などして物事を見ています。
石川先生は
「比較の後に価値とか意味を受けとろうとすることが問題だと、仏教は説いている。それでは、私たちは幸せを得られない。なぜなら、比較や区別で得られる意味というのは、すぐに失われる。」
「いくら勉強できても賢いとは言わない。仏さまの智慧からすれば、優劣の比較や損得を越えて心安らかになるのが平安である。平らで安らいでいる、それが悟りの境地である。その境地を得る智慧が、究極の賢さです。」
と、究極の賢さについて述べられました。
続いて「死」を通して究極の優しさのお話をされました。
「あなたの死の恐怖を取り除いてあげるよ」というのが究極の優しさです。痛がっている子供を見て、母親も子供と同じ立場になって痛がる。仏さまも同じように他者の痛みを自分の痛みのように受け取って、心をやすらかにしてくれる。その優しさというのは、仏さまからの一方的に見てくれているような優しさであり、不安感や迷いを拭い去ってくれるのが、仏さまの究極の優しさです。」
今まで宗教行事や宗教の授業に触れてきた生徒たちとって、今日の「究極の賢さと究極の優しさ」という内容はよく理解できたと思います。しっかりと心に刻んでほしいものです。