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宗祖降誕会・開校記念式 2021年05月21日(金)22時58分

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本日は,宗祖降誕会及び,開校記念の行事に参加しました。
中村啓誠先生を講師にお招きし,講堂にてご法話を拝聴しました。

親鸞聖人の鸞という字は,中国の伝説上の鳥を表します。鸞はとても大きく綺麗な鳥ですが,雛の時はそれはみすぼらしい姿をしています。容姿の違いから親を親とは思えずに拒絶してしまう雛のために,親鳥は自らの体を泥で汚して餌付けするそうです。
親の素晴らしいところの一つは,「子のためなら汚れを厭わない」ところだと思います。
 詩人の星野富弘さんは,教師だった頃事故により首から下の感覚を失いました。自力で排尿することもできないため,膀胱にカテーテルをつないでいるそうです。このカテーテルが詰まってしまった際,星野さんのお母様がカテーテルを吸ったり吐いたりして詰まりを解消したことがあったそうです。お母さんじゃないとできないだろうなと思います。
 本日は降誕法要ですが,降誕には「降(くだ)って来てくださった」という意味が込められています。宗祖降誕会は,親鸞聖人が私たちのために,私たちに合わせて生まれて来てくださったことを感謝しお祝いする日なのです。また,自分が生まれて来た日は,お母さんが自分を生んでくれた日でもあります。誕生日を祝うとともに,誕生させてくれたお母さんに感謝する気持ちを思い出したいものです。
 子のための思いや親への感謝は,相手を思い,相手に合わせる心と言えます。たとえ親子でなくても本当に大好きな相手ならば,相手に合わせて考え行動できるはずです。もし拒絶されてしまったとしても,相手に寄り添うことで,自分の心に寄り添うこともできるはずです。
 さて,私たちは日頃,大切な相手を大切にできているでしょうか。ついついぞんざいな扱いをしてしまうことはないでしょうか。生まれてから今に至るまでに多くの人と知り合ったように,大人になるということは,多くの人と関わっていくことだと言えます。その過程で,相手に感謝し心を合わせることを忘れてはいけません。相手を慮ることが,自分の心を大切にすることにもなるのです。今一度,自分や相手の心を見つめてみましょう。掬いきれていない思いや頭ごなしに否定しているものはありませんか。相手の心に寄り添うい,自分の心を大切にすることで,より豊かで穏やかな気持ちになれることに気づけると思います。