今日の仏参は、3年8組担任で国語科の中森先生のお話でした。中森先生は生徒諸君に「幸せって何ですか」という問いかけをした後、ご自分の生い立ちと他国の例をもとに、幸せについてお話されました。
中森先生は、高校3年生の時に、古典の先生に突然「幸せって何?」と尋ねられたそうです。とっさに思いついた答えは、「生きていることかなぁ」だったそうです。中森先生はお寺で生まれ育ったこともあり、葬儀や法事に関わる中で命や死について考えることも多く、「生きていることかなぁ」と答えたのだろうと振り返りました。
また、幸せとは何かを説明するのに、ブータンという国の例を紹介されました。ブータンはアジアの山岳地域の小国なのですが、経済発展のような物質的な豊かさよりも教育や文化のような精神的な豊かさ重視しており、2013年には世界幸福度ランキングで8位でした。しかし、近年、その順位がどんどん下がってしまっているそうです。その原因がグローバル化や情報化であり、国民が他国と比べることで優劣を意識したり、うらやむ気持ちが強くなったからだとお話されました。
中森先生は、周囲と比較して幸せを感じるよりも、生きていることを尊び自分の中の幸せを大切にしてほしいとお話されました。そして最後に「生者必滅・会者定離」という言葉を紹介し、高校生として友人達と一緒に過ごせる時間を大切にしてほしいと、生徒諸君の心の幸せを願われました。