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厳粛、そして心晴れやかな卒業式でした。 2013年03月01日(金)17時58分

本日は高校の卒業式でした。
学園の卒業式は厳粛そのものです。拍手などはないために、静かな中に粛々と式は進行していきます。一見、淡々とした空気に支配されているように見えます。しかし、私は壇上に上がり、生徒たちの目を見たときに何とも言えないエネルギーを感じました。達成した者だけが放つ充実感があちこちに揺らめき、彼らを見守り育てた人たちの思いがそれらを優しく包み込んでいたように思いました。
以下は、その時の祝辞です。

ただいまご紹介にあずかりました、平安会会長木脇和政です。
本日は517名の諸君、卒業誠におめでとうございます。
ご出席いただいた保護者の皆さま、ご子女のご卒業誠におめでとうございます。
また、この3年間お導きを頂いた燧土校長先生を初め教職員の皆さま、保護者の一員としまして深く感謝を申しあげます。ありがとうございました。大変お世話になりました。

さて、517名の諸君。実は私もここに君たちと同じ生徒手帳を持っています。自分の子供に進級の時にもらったものですから、ちょっと古いんですが、これを私はいつも会社に行くときなど、自分の鞄に入れて持ち歩いていました。学園の行事などがコンパクトにまとめられているので、保護者会の役員として重宝したというのがあります。しかし、それ以上に私はこの見開きの1ページ目に書いてある3つの大切が大人である自分にとってはより大切なことであるなと言う思いでいつも携行していました。君たちは、もう何度も何度も聞かされていることでしょう。そうです、ことばを大切に、じかんを大切に、そしていのちを大切にという平安の三つの大切です。君たち、この三つの大切は卒業してからも一生大切なものだと私は思います。

ことばを大切にする人は、その言葉によって、多くの人に愛されるでしょう。言葉を大切にすると、多くの人が君を愛してくれます。君たち自身も多くの友人や先生方のことばによって支えられてきたのではないでしょうか。これからもそうです。
じかんを大切にする人は、その大切にする気持ちによって、多くの人に信頼されるでしょう。多くの人が君を信頼してくれます。これからもそうです。
そして、いのちを大切にする人は、…。かけがえのない人になります。たった一つしかないはかない命を大切にする人は、かけがえのない人たちです。
ちょっと後ろを振り返ってみてください。そうです、今、後ろから君たちを見守っている人たちがそうです。君たちの命を大切に見守り、育んでくれたかけがえのない人たちです。

君たちが、この世に誕生したのは1994年、或いは1995年でしょう。君たちが誕生して間もなくか、或いはお母さんのお腹にいるときに阪神、淡路の大震災がありました。
あと10日後は3月11日ですから、あの東日本大震災から丸2年ですが、私たちは、あの時、命のはかなさを知りました。そしてだからこそ命の大切さを教えられました。
神戸の震災の日、君たちはもちろん覚えていないでしょうが、お父さん方や、お母さん方はみなさんとてもよく覚えておられると思います。生まれたばかりの赤ちゃんを横にして寝ていたところに突然の大きな揺れでした。午前5時台でしたから、まだ寝ていた人も多く、冬でしたから辺りは真っ暗でした。
生まれたばかりの赤ん坊を見ながら、或いはお腹のこどもを抱きしめながら、揺れがおさまるのを待ちました。
それから、数時間後、夜が明けて、テレビに映った神戸の町は信じられない光景でした。
これが、同じ日本のしかも神戸という町で起きていることが信じられませんでした。
10日後の東日本大震災ででもそうですが、私たちがあのことで悟ったのは、人間のちっぽけさだったと思います。人間の無力さだったと思います。しかし、その後の復興した神戸を見るとどうでしょうか。私は、人間の力強さを今感じます。
それから、18年という時間が経ち、君たちは卒業の時を迎えました。
保護者の皆さん、私たちの記憶にあるあの小さな命。神戸の震災の日、暗闇の中で駆け寄り抱きしめた小さな命は、いつの間にか体も心も成長し、今、もうすでに私たちを超えようとしています。そして、新たな環境のもとで、今、力強く羽ばたいていこうとしています。彼、彼女たちが、大きな夢をつかみ命を紡いでいく後ろ姿を応援していきましょう。
何とも、何とも嬉しい、喜ばしい、いのち万歳と叫びたくなる、今日この日です。いま、羽ばたく君たち、本日は卒業誠におめでとう。

平成24年度平安会会長 木脇和政

平安会主催 研修会 2013年01月12日(土)18時20分

私たち保護者会では、昨年早秋の候、龍谷ミュージアムや大原の里の研修に出かけましたが、今回の研修場所は大阪。
研修内容は劇団四季の鑑賞でした。

この研修は例年7月に京都四季劇場での鑑賞となっているのですが、今回は京都では適当なプログラムがなかったため、関係者の方がお骨折り頂き、保護者の方に喜んで頂けそうなプログラムを用意してくださいました。

劇団四季による「ライオンキング」です。
14年連続の無期限ロングランを更新中であり、国内通算上演回数は8000回を越えている作品ですから、多くの保護者の方が楽しみにされていたのではないでしょうか。

当日は、大阪駅前から劇団四季の常設館となっているハービスENTに行き着くまでの間、構内には多くのポスターが貼ってあり、主催者の力の入れようも伝わってきました。

「ライオンキング」は”サークル・オブ・ライフ” = ”生命の連環”をテーマとして繰り広げられる壮大なミュージカルです。
”サークル・オブ・ライフ”はテーマ曲ともなっており、歌詞の一節は、

巡るいのち
悩み のぞみ 愛しながら
やすらぎのときを求めて
果てしなく続くいのち
イッツ ザ・サークル・オブ・ライフ

舞台はアフリカの大地であり、登場人物は自然界の動物たちです。
そういった自然の掟が如実に支配する舞台設定でありながら、であるからこそ”命の連環”がテーマとなるのでしょうか。
個人的な解釈ですが、そこには仏教的な輪廻観をみるようでした。

平成24年度平安会会長 木脇和政

第4回御正忌本山参拝研修会 2013年01月11日(金)19時17分

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昨年末、龍谷総合学園保護者連合会総会についてご報告させていただきましたが、今回は同じ保護者連合会の研修として、御正忌参拝をさせていただきました。
御正忌の意味や内容についてはこちらをご覧いただくのが宜しいかと思います。

ご覧頂くと、一週間にわたって営まれる本願寺最大の年中行事であるということが、おわかり頂けるかと思います。
私たち保護者会はそのうちの二日間を研修として参加させていただきました。

一日目は本願寺御影堂で営まれた「御正忌報恩講・逮夜法要参拝」です。
報恩講については、校長先生のブログを初め各学年のブログでも触れておられます。このことでも、いかに私たち平安学園にとっても重要で大切な行事であるかが分かります。
研修では、国宝飛雲閣や書院の見学も組まれていました。
私は、平安学園に通う生徒の一保護者として、こうして本願寺内の建築物に触れる機会を頂きましたが、学年を重ねる度にその文化財の数々に圧倒されます。私たちの学園から徒歩数分のところに国宝建築が肩を並べ、その中に一歩足を踏み入れると、次々と重文が私たちの目の前に現れてくる、そんな空間が広がっているのです。

全国から研修に参加され、初めて目にされた保護者会の方々にとっては、感慨はより一入であったろうと思います。

二日目は午前6時からのご晨朝で始まりました。開門の5時半を過ぎると門徒の方々にまじって保護者会の方々も三々五々集まってこられましたが、まだ1月ということもあって、辺りは真っ暗で、ただお堂の灯りだけが浮かび上がっていました。
ご晨朝は阿弥陀堂で30分ほど、続いて渡り廊下を通り隣の御影堂堂に移動して30分ほど営まれました。

何も存じ上げない私は、どうして途中で移動するのだろうかと、ご晨朝の後、次の目的地に向かうバスの中で本願寺事務局の方に、その理由をお尋ねしてみました。
そうしますと、いただいたご回答は、阿弥陀堂は阿弥陀様をまつっており、御影堂は宗祖親鸞聖人をおまつりしているので、その両方に参拝する意図があります。それぞれで唱えたお経も違うのですよと教えて頂きました。
言われてみれば当たり前のことで、質問した自分の不明さを嘆きますが、教えて頂いたことに感謝いたします。

研修会のバスは次の目的地である東山の知恩院に向かい、私たちはそこで知恩院の方から、先ずは、大晦日の鐘の音で有名な大鐘楼にご案内いただきました。私ももちろんですが、保護者の方々もただただその大きさに圧倒されていました。
こちらの御影堂は平成23年に法然上人の800年大遠忌を迎えられるにあたって大修理を発願され、今もその最中でした。
‐ミエイドウと読みます。本願寺は同じ漢字でゴエイドウです。最初の頃は私も混乱していましたが、最近やっと間違わないようになりました。

明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは

親鸞聖人が9歳で得度されたときに詠まれた歌です。
私のような門外漢でも何度か耳にし、そのたびにグッと胸が打たれるほど心強く、9歳というお歳を思うと実に迫力に満ちた歌です。

続いて、私たちはこの歌が詠まれた、青蓮院に参拝させて頂きました。青蓮院は、門跡寺院としても有名ですが、親鸞聖人が得度されたお寺としてとても縁の深いお寺です。親鸞聖人との縁を感じながら私たちは境内を巡りました。

二日間にわたる研修は、この場所で閉会式を行い、無事終了いたしました。

*写真1:午前5時半。正面が御影堂、その左が阿弥陀堂
*写真2:御影堂から阿弥陀堂への移動 
*写真3.知恩院の大鐘楼。高さ3.3メートル、直径2.8メートル、重さ約70トンだそうです。この後皆さんで大鐘楼の真下まで入れて頂きました。
*写真4:青蓮院境内の植髪堂にて。壁一面に親鸞聖人のご誕生からご往生までのご生涯の場面を描いた絵が掛けられています。

平成24年度平安会会長 木脇和政

子どもをたちを取り巻く社会情勢、世界情勢 2012年12月15日(土)18時33分

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「子どもをたちを取り巻く社会情勢、世界情勢」。これは、本日行われた「京都府私立中学高等学校保護者連合会・平成24年度秋期定例総会」の講演テーマでした。

総会が行われた場所は、京都御所の西側にある京都ガーデンプレスというホテルです。
こちらのホテルの窓からは、道路を隔てて、御所の蛤御門が見えます。幕末の京都において、急進的な尊皇攘夷論を掲げていた長州藩が京都を後にしなければならなくなった禁門の変の舞台となった場所です。耳を澄ませば、150年前この京都で、国の未来を憂い、逡巡しながらも宮中に大砲(おおづつ)を向けた若者達の怒声が聞こえてきそうなそんな距離に建つホテルです。

さて、目を室内に転じると、開会の挨拶が会長の下川和馬氏(福知山成美高校保護者会会長)の私学助成金の話題で始まり、次いで来賓祝辞として京都府文化環境部文教課長稲垣勝彦氏が、今年一年の総括として、中学、高校でのいじめ問題について言及されていました。”いじめは完全に撲滅するという意思をもって臨まないといけない”が中心となるテーマであったように思います。
もう一方、来賓祝辞として登壇された京都府私立中学高等学校連合会会長の山本綱義氏は、最近の教育問題は、上っ面の議論だけをしているのが目に余るようだと感想を述べておられました。
次に、旧役員の方々への、感謝状贈呈があり、議事へと続きました。
議事は、事務局長の野田清昭氏のもと、「平成24年度事業並びに会計中間報告、監査報告」がなされました。
野田氏の報告にはそれに加えて、保護者連合会の活動報告と事業内容や私学振興助成対策の説明もありました。

総会では、実践報告として、各参加学校の活動報告のようなものもあるのですが、今回は、華頂女子中学高等学校保護者会会長の前田晃秀氏による学校紹介がありました。スライドを使い、学校行事をご紹介されながら、学校の特徴を説明されていました。

最後に、午後3時過ぎから1時間にわたって、表題のテーマを講演されたのが春川正明氏です。
読売テレビ報道局の解説副委員長をおつとめになっており、テレビ等のマスコミにも時々登場されるので、関西の方にはなじみ深い方ではないでしょうか。
時にユーモアを交えながら、軽妙な語り口で講演は進んでいきましたが、話題は現場のことであったり、実際に海外に赴任されていたときの話であったりと、縦横無尽に広がっていきました。国政選挙が近いこともあり、米国の選挙の様子と国内のそれの違いについてのお話もあったりしました。
米国では、選挙前になると各地で集会があるが、そこには必ずと言っていいほど未成年の子どもの姿が一定数以上いる。実際の投票にも子どもをともなって行くことが多い、それは、子どものうちから選挙の仕組みを教え、関心を抱くことを仕向けるためだと話されていました。一方我が国はどうだろうかという疑問の提示です。
そして、そういった自らの経験も踏まえた上で、自らの教育観も交えながら、子どもの感受性を信じ、できるだけ海外に留学させ国際性を身につけることの大切さを語っておられました。
海外にいるからこそ、日本のことがよく分かる。日本にいると日本の異質性に気付かない。そういった国際性を身につけた子どもたちが再び日本に帰ってくることで日本が変わるのだと熱心に説かれていたのが印象的でした。

そう言えば、禁門の変から僅か7年後の明治4年(1871年)。維新を成し遂げた明治政府は遣欧使節団を組織し、彼らを米国、欧州、亜細亜と1年以上かけて回らせます。当時若者であった彼らこそが、後に日本の政治、経済、文化の中心的役割を果たし、日本の国柄を決めたと言ってもいいでしょう。
中学生、高校生の教育問題を考える総会と、春川氏のテーマ、そして蛤御門という場所が妙にリンクした昼下がりの午後でした。

*写真1:下川和馬会長挨拶の様子
*写真2:旧役員への感謝状贈呈 
*写真3.野田清昭事務局長による議事進行
*写真4:春川正明氏講演の様子と春川氏のメッセージ。講演の後、平安学園生徒にメッセージを頂けないでしょうかとお願いしたところ快く引き受けてくださいました。

平成24年度平安会会長 木脇和政

平安学園 校友関係物故者追悼法要 2012年12月10日(月)18時46分

本日は、本願寺御影堂にて、「平安学園 校友関係物故者追悼法要」がありました。
保護者会会長として参列しご焼香して参りました。
学園からは高校一年生の生徒らが代表して参列したようです。

追悼法要は、今年は少し遅かったのですが、だいたい毎年この季節に行われます。

平安学園校友関係者には生徒らの家族も含まれます。
今年亡くなった方々の一覧に生徒らの家族が含まれているのを見ると、私も保護者の一員として胸の痛みを覚えないわけにはいきません。僅か十代で受け止めるにはあまりに大きな悲しみは、私たちには感じることができても癒やす力は到底ありません。

そういうこともあってでしょうか、追悼法要の講話では燧土校長先生が、仏教の「愛別離苦」という言葉の意味からお話を始められました。

法要で唱和された「み仏に抱かれて」という仏教賛歌をもとに、生徒にも分かりやすい形でお話になり、「…それが、いのちを大切にし、先に逝かれた方々に応える私の生き方であったことに気づくことになるのです。」と締めくくられていました。

参列していたのは高校一年生です。人生経験は短く、それほど多くの別れを経験してはいないでしょうが、若いが故に感受性は強く、別れの辛さ、悲しさは大人以上に感じているのではないかと思います。
先生のお話は、そのような人生につきまとう悲しみについて述べられると共に、しかしそれをしっかり乗り越えていくことことそが、亡き方のご遺徳を偲ぶことになるのだという力強いメッセージであったように感じました。

最後に恩徳讃が唱和されて、法要は終了いたしました。
「み仏に抱かれて」は切なく、哀惜を伴うメロディですが、こちらの恩徳讃は清らかで美しく、学園では入学式や卒業式などでも唱和されます。

*追悼法要の様子は高一学年ブログに掲載されています。

平成24年度平安会会長 木脇和政

龍谷総合学園学校保護者会連合会総会開催 2012年11月30日(金)17時14分

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今月29日から30日にかけて、総会が開かれました。
私たち平安会も連合会会員団体として出席してきました。
開催期間は二日間、開催場所が今回は関東地区でしたから、宿泊を伴っての参加です。

7月13日(金)の投稿でお知らせした「龍谷総合学園保護者会連合会近畿ブロック連絡会」は近畿版ですが、これはその全国版になります。

龍谷総合学園加盟校として全国71校の保護者会が一同に会するわけです。
年に一度の大きな、そして重要な大会と言えると思います。

総会は、まず築地本願寺のお堂内で開催されました。
写真を見て頂ければおわかりのように、まさにお寺の本堂です。
古代インド風建築の築地本願寺は建築物としても有名で観光客も多くつめかけるところです。私たちが本堂内で総会を開いているときにも、観光客がその後ろで見学されているのはご愛敬でした。

この建物の設計者は、東京丸の内駅舎の再建で再び脚光を浴びている辰野金吾の直弟子である伊藤忠太という方ですが、彼に設計を依頼したのは、大谷探検隊を組織した西本願寺22世宗主・大谷光瑞氏です。
西域探検で大きな功績を残された氏の足跡は、先にご紹介した龍谷ミュージアムに数多く展示されています。何とも、由緒ある、縁ある場所での総会だろうかと感慨にひたっていたのは私だけではないでしょう。

総会の後、「現代日本の教育課題」として武蔵野大学学院長 田中教照先生が講話をされました。
私たち保護者の中には普段からはあまり宗教的な事柄に通じてない者も多く含まれています。
そのような私たちにも分かりやすい形で、先生の講話は進みました。

自然界に法則性を見いだすのが科学、しかし法則性では捉えることができないのが、人間であり、人間社会である。一方で、人間の問題は科学では解決できないにもかかわらず、それを何とか科学で解決しようとしているのが現代社会。そのためにさまざまな問題が起きている。私たちはもう一度考え直さなければならない。

生かされている命への再考が必要であると、宗教者の立場から問題提起と解決が示されたように思いました。
自信はありませんが、私はそのように解釈いたしました。

この総会は、全国から保護者が集まっているので、観光を兼ねながらスケジュールは進んでいきます。次には、龍谷総合学園のグループの一つである、臨海副都心初の総合大学として開設された武蔵野大学を見学させていただきました。今年開設されたばかりの新しいキャンパスはどこも先進的な設備に溢れていましたが特に印象的だったのが環境に配慮した建築であり、構造物であったということです。

二日目は、全体協議会です。この総会には、全体協議会も含まれています。
近畿ブロックで討議されたテーマ「私にとっての宗門校とは」は、私たち近畿ブロック以外でも北海道、関東、中部・北陸、近畿、中国、九州という八つのブロックごとにそれぞれで討議、発表されたわけですが、その内容が全国の場で改めて発表されるのです。
各ブロック代表の発表であるということもあって、内容も濃く、発表者の力の入った話しぶりが特に印象的でした。
今回のテーマは「私にとっての宗門校とは」という少し、一般の方には取っつきにくい、そして難解とも言えるテーマであったというのが各ブロック代表の方々から共通に出てきたテーマへの印象でした。
私も同様の印象ではありますが、だからこそ真剣に思考を巡らし、深く考えることができたのではないかとも思います。
このテーマについては、毎回事務局を初め、関係者の方々は大いに悩まれるようです。安易なテーマでは安易な回答がでてきますし、かといって取っつきにくいテーマでは各ブロックの方々に負担を掛けてしまうことになりますから、テーマの選択はかなり慎重に進められているようです。
来年のテーマが何になるのか、今から楽しみでもあります。

*写真1:築地本願寺本堂内総会の様子
*写真2:武蔵野大学正門の案内(高僧和讃、註釈版580頁)解説はこちらにあります。 
*写真3.全体協議会部屋の外から
*写真4:全体協議会開催前の様子

平安会会長 木脇和政

平安会秋の研修会 2012年10月18日(木)19時01分

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昨日は、「京私学保連」の研修会。
そして、今日は平安会の研修会でした。
平安会として、この時期に研修会を行うことは久しぶりのことになります。

本部役員としては、今春の理事会でこの研修会への賛同を頂いてから後、秋の研修会実現に向けて準備をしていました。
研修の候補地として幾つかリストアップし検討した結果、最終的に「龍谷ミュージアム」と「志ば漬の里」を研修先として選定しました。
果たして何人の保護者の方々が研修に参加してくださるのか、期待と不安で一杯でしたが、ふたを開けてみると70人以上の保護者の方が研修に参加してくださることになり、本部役員としてはほっと胸をなで下ろしたところでした。

さて、研修は午前10時から龍谷ミュージアムで始まりました。当ミュージアムでは現在「絵解きってなーに」というテーマで絵解き展をやっています。
このブログをご覧になっている方々も”絵解きってなーに?”という状態だと思います。かくいう私も”絵解きってなーに?”であり、正直なところあまり分かってはおりませんでした。
内容についてはこちらをご覧になるのが早道です。
と言っても、せっかくミュージアムを訪問するのですから、生の声でご解説頂きたいと考え、保護者の方々にはミュージアム観覧の前に、約15分にわたって学芸員の方から絵解きとは何かというレクチャーを別室で受けて頂きました。それから展示物を観覧して頂く方が理解が早まり、深まると考えましたが、実際その通りではなかったかと思います。
ミュージアム内では、展示だけでなくシアタールームで、『十王図』と『熊野観心十界曼荼羅』という二つの絵解きをされていたので、こちらも私たちの理解を助けてくれました。
こういった甲斐があってか、観覧された保護者の方々の感想も好意的なものが多かったように思います。
「今度は息子も連れてきて彼にも見せてあげたい」とか。「これで法事の時のお坊さんの話が少し理解できるかも知れないな」どという意見もありました。
終了後、アンケートを回収させていただきましたが、そこにも仏教を身近に感じることができるようになったということが書かれてあったりしました。
実は、これほどの反応は意外でした。「絵解き」というテーマは布教活動とつながっている側面もあるため、敬遠されてしまうのではという危惧もあったのです。
しかし、それが危惧のうちに終わったのは、恐らく、展示内容が国宝も含む、重要文化財の数々でしめられており、宗教を超えた日本文化としての側面を備えていたせいではないかと思えました。

続いて、私たちは龍谷ミュージアムを後にし、大原の「志ば漬の里」を目指しました。

皆さんは、「京の三大漬物」というのはご存じでしょうか。
答えは、「すぐき漬」、「千枚漬け」、そして今私たちが目指している「しば漬け」なのだそうです。
こちらには「志ば漬の里」と称して、漬け物の製造工程が見学できる施設があります。また、熟成館というまさにしば漬けが乳酸発酵によって熟成されていく工場が見学でき、保護者の方々も楽しみなお漬け物が堪能できる食事の施設もあるのです。
工場見学では、その清潔な製造工程に感心し、熟成館では、その伝統と歴史に感心された保護者の方が多かったようです。

午前中は龍谷ミュージアムで仏教の片鱗に触れ、午後は大原で日本三大漬け物と、歴史と自然に触れました。
秋の研修会に相応しい一日となったのではないでしょうか。
龍谷ミュージアムの皆様、志ば漬の里の皆様、今回は大変お世話になりました。

*写真1:龍谷ミュージアム内覧会の様子。年に数回特別展が始まる前にはこうして関係者を集めたセレモニーがあるそうです。
*写真2:漬け物工場内部。興味深げに見入る保護者の方々。
*写真3:熟成館正面
*写真4:熟成館内部。巨大な漬け物石を前に工程の説明などを受けました。

平成24年度平安会会長 木脇和政

京都府私立中学高等学校保護者会連合会現地研修 2012年10月17日(水)18時34分

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京都府私立中学高等学校保護者会連合会(京私学保連)現地研修がありました。

現地研修の場所は、京都市北部の名刹大徳寺です。
目的は、私学保連活動の基本となる「学校教育における私立学校の重要性」「公私間格差是正」
「是正のための助成金拡充」などの再確認。
これらを保護者間の親睦を図りながら、行っていこうというものです。

事務局の方のお話によると、こういった研修は年に一回行われており、以前はバスを利用しての一日がかりのものだったそうです。
しかし、時代の流れでしょうか、保護者の方で一日時間を取るのが難しい状況となったと同時に、バスを利用してそれほど遠方まで行かずとも京都市内でまだまだ研修に相応しいところはあるのではないかということで、前回は東寺、その前は相国寺や西本願寺なども研修の場として試みに組まれたようです。
西本願寺の場合には国宝飛雲閣もそのスケジュールに組まれていたようで、保護者の方々の評判も良く徐々に定着したのだということでした。

さて、研修は午前10時に大徳寺境内に京私学保連加盟40校の保護者会の方々が集合し始まりました。
写真に少し写っていらっしゃる大徳寺塔頭の一つである大仙院ご住職大和宗貴和尚のご案内で進行しました。
和尚の博学な知識とその豊富さに保護者の方々も驚いていましたが、それと同時にユーモアあふれる解説についつい引き込まれていきもしました。
大徳寺と言えば、頓智で有名な一休和尚や、秀吉との確執で切腹に追い込まれた千利休を連想してしまいますが、実際に、ご住職のお話をお聞きしながら歩を進めていると、その連想が色鮮やかに彩られていく感じでした。
当日は、あいにくの朝からの雨模様の一日でしたが、書院から眺める枯山水や沙羅双樹の生け垣は、霧雨を背景に緑色に光り、少し色づき始めた紅葉と相まって見事な風景でした。

今回の現地研修を通じて、普段はあまり話すこともない他校の保護者会の方々と交流ができました。
京都の知っているようで知らない風景を歩きながらの研修は実に意義深いものであったと感じました。

京私学保連様、事務局の方々本当に素晴らしい機会を頂きありがとうございました。

*写真1:大徳寺山門。小雨交じりの天候が景色に格別の情緒を与えてくれていました。
*写真2:住職の説明に聞き入る保護者の皆さん。

平成24年度平安会会長 木脇和政

学園祭と平安会 2012年09月14日(金)14時35分

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9月1日(土)、2日(日)の二日間にわたって、平安学園学園祭が行われました。
私たち保護者会(平安会)は模擬店としてうどん、そば、牛丼、サンドウィッチ、ジュースなどを販売し、学園祭二日目にはバザーを開催しました。
模擬店は、まだまだ残暑厳しい中での販売でしたが、本部役員OBの方々もお手伝いに来てくださり、理事の方々の頑張りも功を奏してか、盛況のうちでの閉店でした。
二日目のバザーは、この開催を毎年楽しみに来てくださる近隣の方々、保護者の方々が、朝早くより会場入り口にお並びになりましたので、私たち本部役員もその列を見たときには多少緊張いたしました。
このバザーに出品されている品々は保護者の方々の寄贈によって成り立っています。
販売による収益は生徒に還元されますので、一生懸命販売させていただかねばという思いでバザー担当の私たちも開始時間を待っていました。
バザー開始から6時間後、終了の時間を迎えましたが、残念ながら完売とまではいかず、多少の品物は売れずに残ってしまいました。
寄贈いただいた方々には大変申し訳なく思っております。この場を借りてお詫び申し上げます。

さて、学園祭から約一週間後に、本部役員と理事さんとの反省会が行われました。今回はその時の挨拶を引用させていただき、学園祭の様子をお伝えできればと思います。

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平安会理事の皆さん、今日は。
また、本日はお忙しい中、燧土校長先生にもご出席いただき誠にありがとうございます。
改めまして、皆さん、学園祭ご苦労様でした。皆さんにおかれてはもう夏休みに入る前の頃から準備にお手伝いに来ていただいておりました。
長期間にわたるお手伝いありがとうございました。皆様のご協力のもとに無事平安学園学園祭は終了いたしました。
もうあれから一週間が過ぎた訳ですが、皆さんは、お疲れではなかったですか。
私は正直疲れました。皆様に比べると私は何もしていないのに準備を含めたたった3日間でへとへとに疲れてしまいました。
猛暑のせいもあるかもしれませんが、やはり日常とは違う作業というのは妙に疲れるもののようです。
しかし、学園祭が終わった後に、理事の方々からいただいた模擬店やバザーのアンケートを簡単にサラッと拝見したんですが、その中に、模擬店のお手伝いをやってよかったとか、バザーのお手伝いは楽しかったという感想をを拝見したときにはとてもうれしく、一瞬で疲れが吹き飛んでしまいました。
この平安保護者会は、もちろん子どもたちのためにあるわけです、ですから、私たちが主催する模擬店やバザーも子どもたちのためにあることは言うまでもありません。
二日目の学園祭が終わった頃のことですが、担当されていた先生とお話ししていると、学園祭は色んな意味で通常の学校教育とは違う形での教育ができるのだと仰っていました。
演劇を担当したクラスは普段は演劇などしたこともない子どもたちがどうやったらお客さんに見てもらえるのかを裏方の子どもたちと一緒に考えたり、模擬店を担当していた生徒達は何が売れるのか、どうやったら売れるのか、そのためにはどこをどうすれば良いのかを自主的に考えていたそうです。
まさに授業では教えることのできない教育がそこにあるような気がいたします。
そういうことを話していたら、私はそれこそ、今ご出席いただいている燧土校長先生が年初来テーマとして掲げておられるEQに通じるのではないかと思いました。
皆さんも色んな場面でお聞きになっているかと思います。
IQならぬEQは心の知能指数とも呼ばれEmotional Quotientの略になります。

先生が掲げていらっしゃるのはIQももちろん大切だが、EQにはそれ以上の重要さがあるのだということだと私自身は解釈しております。
この学園祭が生徒達のEQを高める場であり、もし私たち保護者会がそのお手伝いができたのであれば、皆さん、それこそ本当にありがたいことではないでしょうか。

本日の会合目的は反省会ではありますが、反省は私が一身に背負って行いますので皆さんには学園祭の達成感を享受していただければと思います。

それでは、皆さん、学園祭本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
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*写真1:校門を入って直ぐ。学園祭大看板
*写真2:バザーの列。長い間お待たせして申し訳ございませんでした。
*写真3:模擬店うどん、そばの最後尾。長いときには10分以上待ち。
*写真4:模擬店の様子。暑い中本当にご苦労さまでした。

平安会会長 木脇和政

協議会テーマ「私にとって宗門校とは」 2012年07月31日(火)18時26分

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7月13日(金)「龍谷総合学園保護者会連合会近畿ブロック連絡会」が開催されました。連絡会では毎年違ったテーマを設け、それに対して発表が行われるのですが、今回の協議会テーマが、「私にとって宗門校とは」でした。

ここで簡単に協議会についてご説明させていただきます。

私たち平安学園は龍谷総合学園グループに属しています。加盟法人数は27学園であり、加盟教育機関数では71校にのぼります。この数は日本最多であり、最大の学校グループということになります。

毎年、その中の近畿地区に学校を持つ加盟校同士が集まって、協議会を開いています。
近畿地区の加盟校は全部で7つであり、そのうちの一つが当番校となり、そこに各学校が集合し、協議会テーマについて発表することになっています。
今年の当番校は岐阜県岐阜市にある「岐阜聖徳学園高校」でした。
そして発表は、近畿ブロックに所属する睦学園、成徳学園、相愛学園、京都女子学園、龍谷大学、平安学園、聖徳学園の順番で行われました。

発表は、各校の保護者会が、事前に協議会テーマについて学内でアンケート調査をし、各校の保護者会会長がその結果に考察を加えながら、各学校の紹介も織り交ぜるような形で行われていきました。

今回のテーマである「私にとって宗門校とは」は私にとっては用語的に宗門校という言葉の解釈そのものが難しく、難解なテーマでもありました。

私は、6番目の発表でしたが、発表の前に、先に起こった大津の中学の痛ましい事件について触れさせていただきました。
大津市の滋賀県が同じ近畿圏で隣県であることもありますが、もう既にこれは日本国民全員が考えるべき問題になっていましたし、この連絡会自体が中学・高校保護者会の集まりであることから、問題はより切実であると思えました。
今回の「私にとって宗門校とは」というテーマも、子どもたちの精神性に触れざるをえない内容でもありました。
また、わが平安学園の建学の精神を表すものとして、学園では、ことばを大切に、じかんを大切に、そして命を大切にという3つの大切を常々訴えてもいます。

同じ年頃のこどもを持つ保護者会としては、どうしても発表の前に触れておかねばならないことでした。

そのこともあり少々時間はオーバーしてしまいましたが、平安学園保護者代表として発表して参りましたので、ここにご報告させていただきます。


*写真1:聖徳学園内立て看板
*写真2:各校のアンケート結果資料

平成24年度平安会会長 木脇和政