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後期始業式 学校長式辞 2014年10月06日(月)17時30分

2014/10/06 後期始業式について

 ※台風の影響で6日は臨時休校となったため、後期始業式で話す内容(式辞)については、翌7日に全校生徒にプリント配布することとした。なお、7日~10日の各学年の仏参をもって後期始業式とする。

学校長式辞 (中学、高校1・2年)
 まず、みなさんに御礼を言います。といいますのは、前期後半9月23日に中学高校のオープンキャンパスを開催しました。中学がお父さんお母さんを入れれば約500人、高校が2600人、総勢3000人を超える来校者がありました。龍谷大平安に興味を持っていてくださる方々がこんなにもたくさんいてくださるということです。
 実は、これはみなさんのお陰なのです。先日も卒業生が来られて、他の学校と比較して平安の生徒さんは気持ちがいい挨拶をしてくれると絶賛しておりました。卒業生として誇りだとも申しておられました。挨拶の言葉や時間を守ることは平安の建学の精神ではありますが、言われてするのと、言われずとも自然に行動に出るのとは全く違います。やらされている内は相手にもそれが伝わりますし、悟られてしまいます。
 そういう意味で、みなさんが元気にこうして登校してくれていること、楽しいことばかりではなく辛いことや悲しいこともあるかもしれませんが、こうして明るく学校生活を送ってくれていること、いつでもどこでもだれにでも爽やかな挨拶を交わせる生徒であることがたいへん嬉しく思います。そして、みなさんがそんな学校生活を送ってくれていることが、これから中学選びや高校選びをする受験生や保護者に自然に伝わっているのです。だから在校生のみなさんに御礼を言います。「ありがとうございます」
 さて、今年度のスタートに際しまして、前期の始業式には、みなさんの昨年度(2013)の生徒手帳にしたためさせていただいた『遍照(へんじょう)』という言葉について、そして4月の仏参では、人間の「知恵」と今年の生徒手帳に記しました仏さまの『智慧』についてお話しいたしました。少しおさらいしておきましょう。
 人間の「知恵」は頭が上がり、仏の「智慧」は頭が下がります。人間の知恵は、知識、教養、学問の世界ですから知恵がつけばつくほど偉くなり、賢くなり頭がどんどん上がって偉そうになってきます。しかし、仏さまの智慧は、仏さまの方から私を照らし、めざめさせ、心のもやもやを破ってくださる働きですから、仏さまの智慧に遇えば遇うほど、私の愚かさ、恥ずかしさ、罪ぶかさに気づかされ、ただただ頭が下がるばかりです。
 龍谷大平安で学ぶのは、知識・教養・学問の世界だけではありません。今まで見えなかったこと、気づかなかったことを仏さまの智慧によって、気づかされ、めざめさせてくださるのですから、素直に仏さまの教えに耳が傾けられるようになります。平安ですべて仏式で執り行う行事は、大切な聴聞(ちょうもん)の機会であります。
つまり、素直に耳を傾ける大切な時間なのです。
 平安は「ことば・じかん・いのちを大切に」という建学の精神を大事にしていますが、この仏の『智慧』を得ていくことで、「目に見える華やかさではなく“目に見えないもの”の本当の大切さ」に気づくことになるのです。
 以前から申しておりますが、心を一本の幹(き)に例えた時に土の中にあって見えない根っこの部分を磨くことが、一般に言う「知・徳・体」の「徳育」だと考えています。平安では、その「徳育」を「宗育」と言っていますが、この「宗育」があってこそ、根っこから吸収されるすべての栄養源、つまり「EQ](こころの知性)を、人間力として枝に運ぶことが出来るのです。この「こころの知性『EQ』」を磨くのが、龍谷大平安での学校生活です。
 さて、龍谷大平安は面倒見のいい学校だということをあちらこちらから言われ、たいへん嬉しく思っています。しかし、私はもう一歩先に行きたいと考えています。と言いますのは、面倒見がいいと言っても、赤ちゃんには赤ちゃんの、幼児には幼児の、小学生には小学生のそれぞれの年齢に応じたケアがあります。そして、中学生や高校生にとっては、面倒見の良さは「わかるまで教える」ことではないと考えます。確かに「わかるまで教える」ことは私たち教師にとって当たり前のことかもしれませんが、みなさんも甘えすぎてはいませんか。自分でとことん考えた上でわからないことは尋ねるべきですが、考えずして最初から「わかりません」と言ってませんか。
 中学生や高校生の君たちに私たち教師がなすべきことは「わかろうとする心をつくる、そのお手伝いをする」ことが、面倒見がいいということではないでしょうか。
 本当の意味でみなさんが、「真の自立」をしてくれるために、もっと上質の面倒見の良さをしようと思います。具体的には、私たちはみなさんを少し突き放そうと思います。年齢によって違いはあると思いますが、それぞれが、今おかれている状況の中で、それぞれがしっかりと考え、自分の力で出来るかぎり努力してください。すぐに先生や親を頼りにしてはいけません。自分で出来る精一杯のことをしてくれることを望みます。
 それと前期始業式でも申しましたが、今年度の学校生活の重点目標は「規律と統制」「ルールとマナー」としています。みなさんは、生徒手帳「生徒心得」の礼節のところを今一度読み返し、決められていることはきっちりと守りましょう、そして、常に相手の気持ちにたってものを考え行動するということを実践してください。相手の嫌がることを言ったり、行ったりしてはダメです。これは、当たり前のことですが、こうした自覚が「こころの知性『EQ』」を磨き、人間力を高めていくのです。
 最後に、第1次リニューアルが完了し、みなさんが新しい環境の中で生き生きと学園生活を送ってくれていることが、文化祭や体育祭という学校行事を通して感じました。みんな、いい顔をしてました。もう少し不便をお掛けしますが、より快適で過ごしやすい環境を整えますので、第2次のリニューアルを終えた「龍谷大平安」を楽しみにしていてください。
 生徒手帳「生徒心得」の礼節を読み上げ、後期の始まりの式辞といたします。

1 本学園の生徒は、校内校外を問わず、常に礼節を重んじ、身を持すること端正でなければならない。

2 すべての秩序は活発な規律ある行為によって保たれるものであるから、時間期限を厳守するとともに、秩序を乱したり、軽率な行動をしてはならない。

3 学校は自分の修練の場であるから、校門を出入りするときは、講堂に安置するご本尊に向かって礼拝すること。

4 講堂に出入りする時は、正面に安置したご本尊に礼拝し、特に堂内においては、静粛を旨とすること。

5 職員室に入る時は、帽子・コート・マフラーの類をとり、服装を整え、敬意を失ってはならない。

6 長上に対しては、常に敬意の念をもって接し、礼を欠くことのないよう心掛け、特に校内校外を問わず、教職員に対する礼を忘れてはならない。

7 学校への来客に対しては会釈をし、敬意をもってこれを迎え、不快の念を与えないように注意すること。
                            以上