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平和・人権・民主主義を考える第50回全国高校生集会 開催 2014年11月22日(土)17時30分

ごあいさつ

 暦の上では二十四節気の一つ「小雪(しょうせつ)」を迎え、北国から雪の便りが届く頃となりました。陽射しが弱くなり、紅葉が散りはじめ、京都ではこの頃から次第に冷え込みが厳しくなってきます。
 全国の高校生のみなさん、ようこそ京都にお集まりくださいました。1964年に京都市で開催されたのが始まりであります本集会も、今年第50回という節目を迎えました。
 さて、人権とは、人間一人一人の持つ権利であり、その個々の権利には、決して優劣や軽重はないはずなのですが、今日、全国各地で児童生徒をめぐって生じている様々な事態に鑑みる時、人間の生命がかけがえのないものであるということをあらためて考える必要があるのではないでしょうか。
 まず、学校教育における人権教育では、生徒一人一人が人権の意義やその重要性についての正しい知識を十分に身につけると共に、日常生活の中で人権上問題のあるような出来事に接した際には直感的にその出来事はおかしいと思う感性や、日常生活において人権への配慮がその態度や行動に現れるような人権に対する感覚を身につけることが最も大切なことであると考えます。
 具体的には、人権が擁護され実現されている状態を感知して、これを望ましいものと感じる感覚や、反対にこれが侵害されている状態を感知して、それを許せないとするような感覚を持つことです。こうした感覚を持つことこそ、人権への意識の芽生えになるのです。それが、自分の人権と共に他者の人権を守るような行動にも繋がるのです。
 つまり、私たちの周りの様々な人間関係や各々のコミュニティの持つ雰囲気そのものが、人権教育の基盤をなすことを忘れてはなりません。この基盤の一つが、「平和・人権・民主主義を考える全国高校生集会」です。半世紀にわたり、全国の高校生一人一人の意識と努力により育まれてきたものが、ここに凝縮されています。三日間の日程で開催されます本集会が、学習と交流を深める意義あるものとなりますことを心より願っております。
               
     実行委員長 燧土勝徳(龍谷大学付属平安高等学校長)