学校長 訓話
学校における防災教育の目的は、自らの生命(いのち)を大切にし、他の人々を思いやる心の教育と位置づけ、地域の安全に役立つための防災態勢を理解できることであります。この目的を具体化するための一つとして、安全行動ができる防災訓練が必要なのです。
生徒一人ひとりが、自分の身を自分の努力によって守ること(自己責任による自助の考え方)と、普段から顔を合わせているクラスの仲間が互いに協力し合いながら、防災活動に取り組むこと(助け合いという共助の考え方)が必要です。そして、この「自助」・「共助」に学校の危機管理体制という「公助」が有機的に繋がることにより、被害を最小限にとどめることが出来るのです。特に、クラスメートや仲間が協力し合う体制をつくったり、そうした活動、つまり「共助」は、自主防災活動の中核です。
先ずは、災害・防災の正しい知識を習得することから始まるわけですが、その前に日々の学校という生活空間について、防災の視点から避難経路等を確認しておかなければなりません。そして、何より「人を知る」ことが重要な鍵を握っています。つまり、クラスの人数など、誰がいないとか、そのような関係をつくっておくことが大切となります。
今回の防災訓練は、地震を想定した避難訓練です。したがって、直ちに安全な場所への避難が必要になります。この訓練における注意点は、以下の通りです。
①避難指示の伝達
②避難生徒人数の確認
③安全な避難方法と避難経路の確認
本当に地震など災害が発生した時、正確で迅速な情報の収集と伝達活動が欠かせません。いかに冷静沈着な行動がとれるかということです。万が一にそなえ、今日の防災訓練が意義あるものとなりますよう願っております。
本日、お釈迦様の誕生をお祝いする花まつりの行事を一ヶ月遅れで営みました。
私たちの人生は、何が起こるかわかりません。この世の中はどんなことが起こっても不思議ではないのです。仏教というのは、思いもよらぬ災難が来ないように祈る宗教ではありません。どんな思いがけない災難にも耐え、それを乗りこえていく正しい智慧の眼を開かせるのです。これが「仏さまの『智慧』」です。
東日本大震災から4年、今年は阪神淡路大震災から20年がたちましたが、今なお、苦しみや悲しみの中で生活されている方々に「慈しみ寄り添う心」『慈悲』の心をしっかりと持ちましょう。そして、時間とともに記憶から薄れつつありますが、私たちはこのことを決して忘れることなく心に刻んでおかなければなりません。
今こうして今日という日が迎えられていることを、心から「ありがたい」と感謝いたしましょう。