2015年6月21日(日)午後1時から本校講堂におきまして『第1回高校受験対象学校説明会』を開催いたしましたところ、約320組の生徒・保護者のみなさまにご来校いただき心より御礼申し上げます。
学校長挨拶
本日は本校の「2016年度入試の第1回学校説明会」に、休日にもかかわりませず、お越しいただきまして誠にありがとうございます。
明治9(1876)年、滋賀県彦根の地に「金亀(こんき)教校」として創立されました本校も5月21日で満139歳となりました。創立以来、親鸞聖人のみ教えに基づく心の教育を謳い、宗教的情操の涵養(かんよう)を理想としてきました。
その宗教教育の原点は、何といっても、毎朝、仏さまにお参りする仏参でありますし、年間5回実施される宗教行事であります。それでは、龍谷大平安で何を学ぶのかについて、まず、少しお時間をいただきまして、この3年間を振り返りながら、本校の宗教的情操教育についてお話しさせていただきます。
2012年、私が校長職に就きました時、IQのように数字では表すことの出来ない大切なものとして、EQを打ち出しました。EQとは、心の知能指数と呼ばれるものですが、本校では、「こころの知性」として、すべては、私たち一人一人の心の持ちよう、有りようですよ。自分自身でそれぞれの心をしっかりと磨きましょうと言ってまいりました。
翌2013年、教員に対して、私たちはそれぞれ各教科のプロとして生徒たちをしっかり注視させ、一時間一時間の中で、生徒たちに達成感が感じられる授業を展開することと、担任はクラスの生徒一人一人としっかり対峙して、朝のSHRから終礼まで、出来る限り生徒の顔色を観察し、少しの変化も見逃してはならないということで、授業力と担任力を教員のスローガンとしました。
この年より生徒手帳を一新し手帳には私の書を記させてもらいました。仏さまがあたりくまなく照らしてくださっているという『遍照(へんじょう)』という言葉を記しました。到底、仏さまの真似は出来ないですが、私たちが、生徒たちの親のつもりで、生徒一人一人と膝と膝をつき合わせ向き合うことを望んでのことでありました。
そして、昨年度2014年、学校という集団生活の場で自分をしっかり律する中で、相手の気持ちも考えて行動できる人間になって欲しいとの思いから、規律と統制、少し優しく言い換えてルールとマナーの大切さを、再確認いたしました。生徒手帳には、他人の気持ちがわかる、相手の気持ちを慮(おもんぱか)る心を育てたいとの思いから『智慧(ちえ)』という言葉を記しました。
そして、今年度2015年、昨年度、相手の心を深く洞察することの『智慧』を記しましたので、今年度は、相手の悲しみや痛みが自分の悲しみや痛みとなる心、慈しみ寄り添う慈悲の心を持ち、共生(ともいき)の精神でこころの幹(き)を育てたいとの思いから、「智慧と慈悲」を学校方針とし、生徒手帳には『慈悲(じひ)』ということばを記しました。相手の悲しみや痛みが自分の悲しみや痛みと感じることが出来る、その心が慈悲です。
そんな心を子ども達にも育ませることができる宗教的情操教育をめざしております、と同時に、「本校の教員の使命は、子ども達に寄り添う慈しみの心をもって、決して子どもに迎合するのではなく、共生の精神で生徒一人一人を大事にすること、そして、しっかりとこころの幹を育てる宗育、つまり宗教的情操教育を実践することである」とこのように考えています。
こうしたこころの教育とは、すぐに答えを求めるのではなく生徒一人一人の一生涯を見据えてしっかりとサポートすることでしょう。それは、高校の三年間に、どれだけの質のいい喜びの種を蒔けるかにかかっています。
龍谷大学付属平安高等学校は、この喜びの種を蒔き、そして花を咲かせることができるように、しっかりとサポートすることをお約束いたします。
最後に、進学校化への改革も着実に進めており確かな手応えを感じております。今後も今までにもまして、しっかりと充実させていきます。
是非とも学校選びの一番に本校をあげていただきますよう切にお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
本日は、お忙しい中、お越しくださいまして誠にありがとうございます。