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平成28年度 平安保護者会 役員会(本部役員・クラス理事) 2016年06月06日(月)22時04分

校長挨拶

 平安保護者会本部役員、クラス理事のみなさまにおかれましては、平素は何かと学園に対しましてご理解とご協力を賜りまして心より御礼申し上げます。
 ところで、みなさんは、ACジャパン(旧、公共広告機構)が行っている「やわらかいこころをもちましょう!」という全国キャンペーンをご存知ですか?
テレビやラジオのCMで吹石一恵さんがナレーションをつとめられ相田みつをさんの詩が朗読されます。お手元にお配りしております書をご覧ください。

セトモノとセトモノと
ぶつかりっこするとすぐこわれちゃう
どっちかやわらかければだいじょうぶ
やわらかいこころをもちましょう
そういうわたしはいつもセトモノ

 現代社会は複雑化、また多様化しています。特に、見ず知らずの人同士が集まる公共の場ではさまざまな「イライラ」を感じることがあります。それが、このCMにありますように交差点の横断歩道をわたる時に、たまたま肩と肩がぶつかった。「イライラ」が、睨み合いになるケースがあります。
 どうでしょう。ちょっとしたことが、許せる気持ちが、世の中に少し足りていないかもしれませんね。このCMは、やわらかいこころ、おおらかな気持ちでいることの大切さをメッセージしているのでしょう。ただ、注目していただきたいのは、最後のフレーズです。
 相田みつをさんは、「そういうわたしはいつもセトモノ」と括っておられます。相田みつをさんは、禅についても仏教についても深く学ばれた方で、きわめてシンプルな詩をたくさん作っておられます。「そういうわたしはいつもセトモノ」というフレーズは、いろいろな解釈はあるかも知れませんが、私は、ここに「浄土真宗の精神」があると考えています。
 自分が自分がに執着するばかりに素直になれずにいる私。少しばかり優位に立ったからといって謙虚さを忘れる私。私たち人間は、残念ながら、自己中心性を離れられない煩悩の塊であります。相田みつをさんは、何を隠そう自分自身に目を向けておられるのではないでしょうか。
 「そういうわたしはいつもセトモノ」という言葉に、この私の姿が映し出されています。その自覚の上に立つから「ありのままの自分を真摯に見つめる」ことができるようになるのです。これが「建学の精神」の教えるところであります。
 本日は、みなさまと教職員とが忌憚のない意見交換をして有意義な時間がもてれば幸いと存じます。