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御礼 龍谷大学付属平安中学校オープンキャンパス 2016年07月03日(日)15時59分

平成28年7月3日(日)中学校のオープンキャンパスを開催いたしましたところ、午後1時半からの全体説明会に約240組総勢約700名のみなさまにご来校いただきまして誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。

学校長挨拶
 みなさん、ようこそ龍谷大平安のオープンキャンパスにお越しいただきました。
 さて、1876年(明治9)年に創立されました本校も、本年5月21日をもちまして満140歳となりました。創立以来、親鸞聖人のみ教えに基づく心の教育を謳い宗教的情操の涵養を理想としてきました。「宗教的情操の涵養」というのは少し難しすぎるかもしれません。それでは龍谷大平安で何を学ぶのかについて、少しだけお話しさせていただきます。
 さて、みなさんは幼稚園の時に「もしもし亀よ亀さんよ、世界のうちでおまえほど、歩みののろいものはない、どうしてそんなにのろいのか」という歌をうたいましたね。
 そこからまた歌は続きました。「な-んとおっしゃる兎さん、そんならおまえとかけくらべ、向こうの小山の麓まで、どちらが先にかけつくか」という展開になります。
 この続きも、みなさんはご存じですね。「どんなに亀が いそいでも、どうせ晩まで かかるだろ、ここらでちょっと ひとねむり、ぐうぐうぐうぐう ぐうぐうぐうぐう」と兎は油断してしまいます。
 そして、結果は、「これは寝すぎた しくじった、ぴょんぴょんぴょんぴょん、ぴょんぴょんぴょん、あんまり遅い 兎さん、さっきの自慢は どうしたの」ということで、兎が途中で昼寝をしたために追い越されて、亀が先にゴールしてしまいます。
 ということで、この物語は、兎の立場で言えば、自信過剰で思い上がって油断をすると物事を逃してしまうということになります。亀の立場に立てば、歩みが遅くとも一生懸命努力すれば、最終的に大きな成果を得ることができるということになります。つまり、人間あきらめずに頑張ればできる、何事も「為せば成る」ということを教えています。
 これを、少し見方を変えて「浄土真宗の精神」、仏教的なものの見方・考え方をしてみると、どうなるでしょう。どうして、亀は寝ている兎を起こしてあげなかったのかなあ。そして、最終的に兎が、ぴょんと跳ねて先にゴールしたとしても、「兎さん、よかったね」「おめでとう」と声をかけてあげるような気持ちであってほしいということになります。
 自分自身に目を向けてみると、私たち人間は、自己中心的で、自分さえ良ければいいと思う、そんな私の姿が映し出されてきます。実は、この自覚の上に立ってこそ「ありのままの自分をしっかりと見つめる」ことができるようになるのです。勝ち負けや、誰が一番とかではなく、こうした他人に対する思いやりの心、慈しみの心を育てたいというのが龍谷大平安の願いです。
 龍谷大平安で学ぶのは、知識・教養・学問の世界だけではありません。他人に対する思いやりの心を磨くことにあります。今日は限られた時間ではありますが、龍谷大平安をしっかりと見て存分に楽しんでください。本日はお越しいただきまして誠にありがとうございます。