2016年11月6日(日)午後1時から本校講堂におきまして『第3回高校受験対象学校説明会』を開催いたしましたところ、約300組の生徒・保護者のみなさまにご来校いただき心より御礼申し上げます。
学校長挨拶
本日は本校の「2017年度入試の学校説明会」に、休日にも関わりませず、たくさんの方にお越しいただきまして誠にありがとうございます。
さて、明治9(1876)年、滋賀県彦根の地に「金亀(こんき)教校」として創立されました本校も、本年5月21日をもちまして満140歳となりました。創立以来、親鸞聖人のみ教えに基づく心の教育を謳い、宗教的情操の涵養(かんよう)を理想としてきました。
今年、本校が創立140周年を迎えるにあたり『建学の精神』を広く深く伝えたいとの願いのもとに「平安の願い“三つの大切”」という冊子を作成いたしました。
私の方からは、その内容の一部を紹介し、本校の教育理念について、少しお話しさせていただきます。
本校の「建学の精神」は、「浄土真宗の精神」です。浄土真宗の精神とは、生きとし生けるもの全てを迷いから悟りへと転換させたいという阿弥陀仏の誓願に他なりません。この阿弥陀仏の願いに生かされ、真実の道を歩まれた親鸞聖人の生き方に学び、「真実を求め、真実に生き、真実を顕かにする」ことのできる人間を育てます。
このことを実現するための日常の心得として「ことばを大切に・じかんを大切に・いのちを大切に」という3つの「大切」を掲げています。
それでは、今日は「じかんを大切に」について、記しております内容を1つご紹介いたします。
いきなりですが、質問です。「86400秒」、これは何を示していると思いますか。これは、1日24時間を秒数で示したものです。
では、次の質問です。「1095日」、これは何を示していると思いますか。これは、高校生活3年間を日数で示したものです。86400秒と聞くと、とても長いように思えますが、気がづけば、あっという間に1日は過ぎてしまいます。そして、その1日1日が積み重なれば、3年間で1095日となるのです。
浄土真宗の第8代宗主の蓮如上人は、次のような言葉を残されました。
いまだ万歳(まんざい)の人身(にんじん)を受けたりといふことをきかず、一生過ぎやすし。(『御文章』)
「人が、1万歳まで生きたということは、聞いたことがない。一生はすぐに過ぎてしまう」という意味です。「一生過ぎやすし」と言われたところで、ピンとこないかもしれません。しかし、みなさんも「いつの間にかもう過ぎてしまったか」と思うことが、きっとあったはずです。その延長が「一生過ぎやすし」なのです。
時間は止まることなく、まるで、川の流れのように過ぎていきます。そして、時間と同じく、私たちを含めたすべてのものは、変化していきます。それを仏教では、「無常(むじよう)」といいます。だから、私たちも時間が流れていくように、常に変化しているのです。ずっと、中学生や高校生というわけにはいきません。
ですから、次の3つの「時間」を大切にしてください。3つとは「今という時間」「青春という時間」「人生という時間」です。みなさんにとって、この3つは、どれもかけがえのない大切な時間です。この3つの「時間」が示す意味を味わいながら、日々の学校生活を送ってください。
と記しています。「今を悔いなく大切に生きる人間」として成長してほしいというのが、本校の願いなのです。
それでは最後に、龍谷大平安の願い「ことば・じかん・いのちを大切に」をまとめておきます。
「ことば」は「南無阿弥陀仏」とお名号を称えることによって、阿弥陀さまから「必ず救い取るぞ」と呼び掛けられ、誰もが仏さまに願われた存在であることに気付かされること、他人への思いやりの形が言葉で表れます。
「じかん」は、先程も申し上げましたように、ものごとは時々刻々と移りゆき、必ず過ぎてしまうものです。生きている今を大切にしてほしいという思いを込めています。
「いのち」は、阿弥陀さまからの預かりものです。阿弥陀さまの願いのかけられた尊い「いのち」と思えた時、仏さまを悲しませない生き方をしようと考えるようになるのです。
こうした心の教育を教育の根幹に据えて、進学校化に向けての教育改革も着実に進めております。今後も今までにもまして、進化させ、しっかりと充実させていきたいと思っております。
このあと、具体的に説明いたしますので、よくお聞きになって、是非とも学校選びの一番に本校をあげていただきますよう切にお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
本日は、お忙しい中、お越しくださいまして誠にありがとうございます。