学校長 訓話
さて、今から6年前3月11日東日本大震災が起きました。また今から22年前1995年1月17日、阪神淡路大震災が起きました。また昨年(2016)4月14日熊本地震が発生しました。時間とともに記憶から薄れてしまいそうになりますが、私たちはこのことを決して忘れることなく心に刻んでおかなければなりません。今もなお多くのみなさんが避難生活を余儀なくされている状況に直面し、心が痛む思いであります。
さて、本校における防災教育の目的は、自らの生命(いのち)を大切にし、他の人々を思いやるこころの教育と位置づけています。こうした目的の中で本校では地震を想定した避難訓練を実施しています。
・生徒一人ひとりが、自分の身を自分の努力によって守ること(自己責任による自助の考え方)
・仲間が互いに協力し合いながら、防災活動に取り組むこと(助け合いという共助の考え方)
・この「自助」・「共助」に学校の危機管理体制という「公助」が有機的に繋がることにより、被害を最小限にとどめることが出来るのです。
とくに、クラスの仲間が協力し合う体制をつくったり、そうした活動、つまり「共助」は、自主防災活動の最も大切なことです。直ちに安全な場所へ避難するという本日の訓練の注意点は、
①避難指示の伝達
②避難生徒人数の確認
③安全な避難方法と避難経路の確認
地震など災害が発生した時には、正確で迅速な情報の収集と伝達活動が欠かせません。また、いかに冷静沈着な行動がとれるかということです。万が一にそなえ、今日の防災訓練が意義あるものとなりますよう願っております。
本日、お釈迦様の誕生をお祝いする花まつりの行事を約一ヶ月遅れで営みました。
私たちの人生は、何が起こるかわかりません。この世の中はどんなことが起こっても不思議ではないのです。仏教というのは、思いもよらぬ災難が来ないように祈る宗教ではありません。どんな思いがけない災難にも耐え、それを乗りこえていく正しい「仏さまの『智慧』」の眼を開かせたいものです。
先ほども申しましたが、東日本大震災から6年、阪神淡路大震災から22年、熊本地震からは1年が経ちました。たくさんの方が被災され、避難生活を余儀なくされ、今なお、苦しみや悲しみの中で生活されています。何も出来ないかもしれませんが、そういった方々に「慈しみ寄り添う心」をしっかりと持ちましょう。
今、こうして今日が迎えられていることを、心から「ありがたい」と感謝いたし話を終わります。