2017年10月9日(祝)本校講堂におきまして『第2回学校説明会』を開催いたしましたところ、午前10時~(中学受験生対象)約100組、午後1時~(高校受験生対象)約340組の生徒・保護者のみなさまにご来校いただきまして心より御礼申し上げます。
学校長挨拶
本日は本校の「2018年度入試の学校説明会」に、休日にも関わりませず、たくさんの方にお越しいただきまして誠にありがとうございます。
さて、龍谷大平安のあゆみを映像でご覧いただきましたが、お陰さまをもちまして、昨年、創立140周年を迎えさせていただきました。創立以来、親鸞聖人のみ教えに基づく心の教育を謳い、本年、創立141年目を迎えるにあたり、この140年の歴史と伝統を心のよりどころとして、「建学の精神」、つまり、「浄土真宗の精神」を広く深く伝えたいという願いのもとに「『建学の精神』の伝播と醸成」を教育の根幹に据えました。
また、今年度の生徒手帳には、「求道(ぐどう)」と記させていただきました。『阿弥陀仏の本願』を『鏡』として、自己を深く見つめ、真摯に生きることのできる人間に成ることをめざす。と意義づけました。
それでは、少し難しいかも知れませんが、本校で行う宗教教育について、少しだけお話いたします。
いよいよ、来年小学校で、再来年には中学校で、検定教科書を使った〝道徳科〟の授業がはじまります。では、その道徳教育とは何でしょう。たとえば、道徳では、「他人に迷惑をかけてはいけない」ということを、社会生活をする上での大切なことの一つとして掲げています。
『私たちの道徳』という教科書にも、一人一人が守るべきものとして取り上げられており、集団生活を送る上での大切なこと、他人への思いやりが示されています。
道徳とは、人として守るべき行為の基準を示していますから、社会という集団の中で生きていくためには、他人への配慮や思いやりのあふれる行為は本当に大切で、また、そのことについて気付いたことを、家族が一緒に話し合い、社会全体に目を向けることはとても大切なことなのです。
ただ、私たちは「他人に迷惑をかけてはいけない」そうありたいと思っているのですが、仏教的に見ると、私という存在は、「この世で迷惑をかけずに生きていくことなどできない」と考えるのです。実はこれが、ありのままの人間の姿なのです。そういう自分を知ることから仏数は出発しています。
私は、失敗ばかり繰り返し、愚かさや弱さを持っている人間です。「ありがとう」と言ってはまた迷惑をかける存在です。いい子になろうと思ってもいい子になれない、そういう私であることを認めて生きていくことを、「あるがままに私を見る」と言います。
「そんなに背伸びをしなくていいからね。私のありのままの姿をしっかり見つめよう」と、宗教の時間に教えます。こういう視点を、仏さまの「智慧」から学びます。
「いじめ」が、社会で大きな問題になっていますが、他人の痛みに寄り添い「辛いよね、悲しいよね」と一緒に涙する心を、仏さまの「慈悲」から学ぶことができます。
私たちは、お爺ちゃんお婆ちゃんから、お父さんお母さんへと、無限のいのちを受け継いでいます。その永い永いいのちの繋がりの中で、多くのいのちに支えられ、他人にうんと迷惑をかけて生きています。迷惑をかけることでお世話になって、それでたくさんの人と繋がりを持っています。これを、仏教では「縁」と言うのです。「ご縁ですね」。ともに繋がって、ともに生きることを「縁起の理」は教えてくれています。
小・中学生のみなさんには少し難しかったかも知れませんが、このような宗教心を持った人間教育を実現するための心の教育を龍谷大平安は実践しています。これを根幹に据えて、進学校化に向けての教育改革も着実に進めております。今後も今までにもまして、進化させ、しっかりと充実させていきたいと思っております。
このあと、具体的に説明いたしますので、よくお聞きになって、是非とも学校選びの一番に本校をあげていただきますよう切にお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
本日は、お忙しい中、お越しくださいまして誠にありがとうございます。