2017年12月10日(日)本校講堂におきまして『第4回学校説明会』を開催いたしましたところ、午前10時~(中学受験生対象)約110組、午後1時~(高校受験生対象)約400組の生徒・保護者のみなさまにご来校いただきまして心より御礼申し上げます。
学校長挨拶
本日は本校の「2018年度入試の学校説明会」に、休日にも関わりませず、たくさんの方にお越しいただきまして誠にありがとうございます。
さて、龍谷大平安のあゆみを映像でご覧いただきましたが、お陰さまをもちまして、昨年、創立140周年を迎えさせていただきました。この140年の歴史と伝統を心のよりどころとして、「建学の精神」、つまり、「浄土真宗の精神」を広く深く伝えたいという願いのもとに「『建学の精神』の伝播と醸成」を教育の根幹に据えました。
また、今年度の生徒手帳には、「求道(ぐどう)」と記させていただきました。『阿弥陀仏の本願』を『鏡』として、自己を深く見つめ、真摯に生きることのできる人間に成ることをめざす。と意義づけました。
それでは、本校で行う宗教教育について、少しだけお話いたします。
今日は、大人から子どもまで誰もが知っているアンパンマンのお話をします。作者はご存知やなせたかしさんです。この漫画には、私たちがしっかりと心に留めておかなければならないことを教えてくれています。
それは、アンパンマンは、「バイキンマンは悪い奴だ!許さないぞ!」とは言いません。アンパンマンが言うのは、「あ!バイキンマン!また、イタズラしたな!許さないぞ!」と言います。つまり、悪いのは、バイキンマンという「人格」ではなく、イタズラという「行為」であるということです。
正に、罪を憎んで、人を憎まずですね。やったことに問題があるのであって、その人を否定するものではないということ、このことを、しっかりと胸に刻んでおきましょう。
さて「アンパンマンのマーチ」を見ると、実はアニメでは流れない3番の歌詞の一節に「時は早く過ぎる 光る星は消える だから君は行くんだ微笑んで」とあります。
お釈迦さまはお悟りをひらかれた後、最初の説法で、「諸行無常」・「諸法無我」・「涅槃寂静」という三つの真理を示されました。これは、お釈迦さまが、この世の中の本当のこと、仕組みををしっかりと心に持ちなさいということを教えてくださいました。この「時は早く過ぎる 光る星は消える」というところには、あらゆるものは時間とともに、時々刻々と変化するという「諸行無常」が歌われています。とても深い詩的な一節です。
もう一つ、やなせたかしさんが、アンパンマンに込めた大切な想いがあります。子供番組のスーパーマンものを見るのが大好きだったやなせさんは、正義の味方というけれど、本当の正義とは、敵をやっつけることではなく、実は「我々が、本当にスーパーマンに助けてもらいたいのは、たとえば、失恋して落ち込んでいる時、おなかがすいてたおれそうな時、あるいは旅先でお金がなくなった時、その他色々と悩み苦しんでいる時、そういう細かいところに気がつく優しいスーパーマンがいてほしい」とおっしゃっています。
私たちのご本尊である阿弥陀如来という仏さまは、目には見えないですが、いつでもどこでも、この私とご一緒くださる仏さまです。私たちが苦しいとき、悩んでいるとき、まさに阿弥陀さまご自身の痛みとして、まったく同じ気持ちで、「しんどいな、つらいな」と胸が痛んでくださっている。そういうお方です。
私たちは、仏さまのような行いはできなくても、一人一人がそれぞれの場で正しい生き方を目指し、少しでも仏さまに近づく努力を、精一杯させていただくことが大切だと思います。
みなさんには、ありのままの自分を見つめ心を磨いて欲しい、そして、人と人とを繋ぐことばを大切に、今というじかんを大切にして、いただいているいのち・願われているいのち・支えられているいのちを磨き輝かせて欲しいというのが龍谷大平安の願いであります。
このあと、具体的に説明いたしますので、よくお聞きになって、是非とも学校選びの一番に本校をあげていただきますよう切にお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
本日は、お忙しい中、お越しくださいまして誠にありがとうございます。