生徒手帳に記載の「自今」を説明いたします。生徒達には、オリエンテーション合宿や始業式にて、直接に解説いたしました。
「自今」は、「自今生涯」の省略形で、校長就任に際して揮毫の依頼を受けましたとき、即座にこの二文字にしようと思い立ちました。実は、揮毫などということは過去に経験もなく、”文字を書くとは恥をかくこと”とよく承知していますので、およそ200枚の練習の成果です。まさに御笑覧ください。
「自今生涯」、かつてお教えをお受けました堀場製作所最高顧問の故堀場雅夫様の座右の銘のひとつであったと伺っております。堀場様は申し上げるまでもなく株式会社堀場製作所の創業者で、日本最初の学生起業家としても著名な方です。意味は「今より始めて、生涯をかけて努力を積み重ねよ」ということで、「自らの未来は自らの意志と努力で自らが切り拓きなさい」ということに通じます。
生徒達には次のように解説いたしました。
過去という過ぎ去った時間は二度と回復しない。反省と教訓を汲み取ることは大切であるとしても、過去はどう努力しても修正できないものです。ただし今から生涯にわたる時間は、君たちの意志と努力でどのようにも創りあげることができます。未来は自らの意志でどのようにも切り拓くことができる。このことを肝に銘じて、新年度、新学期、今この瞬間から怠りなく努め始めましょう!
「自今」には、このような私の願いが込められています。
この二文字は、新任校長である私自身の覚悟と自らへの戒めを表すものでもあります。