6月6日(水)午後3時30分から開催された「第1回私学教職員研修会」(主催;京都府私立中学高等学校連合会、会場;京都私学会館)に参加してきました。
講演は鳴門教育大学大学院教授の坂根健二氏によるもので、その演題は『突然起きる学校危機に対応するために!-教職員が知っておきたい危機対応-』でした。本校からは5名の教職員が参加いたしました。
世情は日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題で騒然としていますが、現状ではタックル問題そのものよりも、日大当局のこの問題に向き合う姿勢そのものに大きな批判が集まっているようです。度重なる大学関係者の記者会見を通じても、視聴者国民の納得が得られず、いまや大学経営の根幹を揺るがす問題になっている観もあります。まさにこの大学は”学校危機”に直面し、真摯誠実な対応を迫られているわけです。
本校には1,500名を超える中学生・高校生と150名に及ぶ教職員が、昼間のほとんどを狭い校地の中で濃密な時間を共有しています。乱暴な言い方をしますと、毎日の学校生活が無事故で問題なく終了することのほうがレアーなケースなのかもしれません。
もちろん学校は”安全な場所”、坂根先生によると「安全とは、人とその共同体への損傷、ならびに人・組織・公共の所有物に損害がないと客観的に判断されること」ということ。さらに学校は”安心な空間”、これも坂根先生によると「安心とは、個人の主観的な判断に大きく依存するもので、人が知識・経験を通じて予測している状況と大きく異なる状況にならないと信じていること、自分が予想していないことは起きないと信じ、何かあったとしても受容できると信じていること」ということだそうです。
仮に、万万が一何か安全・安心を脅かす事態が生じたとしても、当事者の真摯で誠実な対応を通じて”納得という理解”が得られれば、その事態は学校危機とはならない!
2時間に及ぶ講演会でしたが、校長職をお預かりしている身にとって、学校は安全・安心、真摯で誠実な対応、納得という理解を通じて””信頼”を寄せられているのだという自明の理を再認識した貴重な時間でした。
本日が学校危機とは無縁な一日であったと信じます。