『学園報 №17』校長挨拶より
PHP7月号に掲載された相田みつをさんのことばを紹介します。
土の中の
水道管
高いビルの
下の下水
大事なものは
表に出ない
みつを
相田みつをさんは「おかげさん」という言葉が好きでした。「『おかげさん』という言葉はあるのに、なぜ『おもてさん』という言葉はないのか。それは、『おかげさん』のかげは、漢字なら陰と書く。つまり陽が当たらない見えない部分のことで、本当に大事なのは、目に見える表の部分ではなくて、陰の部分である。だから『表さん』という言葉はないのだ」と理屈づけていたようです。このことばにありますように、下水も水道管もなくなったら生活できませんが、普段はそれを意識することはありません。
今夏、硬式野球部が2年連続の甲子園出場を果たしましたが、やはり、脚光を浴びるのは背番号をもらった18名、その中でもスターティングメンバー9名、もっと言えば、背番号1のエース、3番・4番・5番を打つクリーンナップです。フィールドには立たないけれど、ベンチには入れないけれど、投球練習のためブルペンでマスクをかぶる者、打撃練習のためマウンドでバッティングピッチャーをつとめる者等々、数え上げればきりがないほど、脚光を浴びる者の陰には、陽の目を見ない、彼らを支える陰の立役者がたくさんいるのです。本当に大事なのは、この陰の立役者たちが、自分の役割をしっかり理解し、いかにしてメンバーを気持ちよく練習させ、試合に挑ませることができるかというところに重要な鍵があるのです。それは何も野球部員に限ったことではありません。大会役員、球場関係者、宿泊施設・学校関係者、保護者等、すべての方々に感謝です。
最後の「大事なものは 表に出ない」 謙虚な心が重なってきます。
宗門の学校『平安』だからこそ、教育の根幹におきたい「こころ」です。