『君たちがまぶしい!君たちは輝いている!!』
この言葉は、衣笠氏が本校の「創立120周年記念講演」で開口一番発せられたものです。
衣笠氏のご業績はいまさら申し上げるまでもありませんが、実働23年で、通算2割7分。2,543安打、504本塁打、1,448打点。1987年6月13日には、1970年10月19日の巨人戦から連続出場を続け、ルー・ゲーリックのもつアメリカ大リーグ記録を抜き、2,131試合連続出場の世界記録を達成。連続出場記録2,215試合は、96年6月オリオールズのカル・リプケン内野手が更新したものの、世界歴代第2位の大記録である。同年、『鉄人衣笠』として「国民栄誉賞」を受賞されている。
このように衣笠氏の記録をまとめておりますときに、追悼法要当日、衣笠氏の恩師であった平安教員の大先輩が校長室にお見えになり、次のようなお話をお聞かせいただきました。
「衣笠の偉かったところは、受けた死球161、おかした三振1,587にもある。彼はデッドボールを恐れることなく絶えずボールに向かって行った。また一度もバットをボールに当てにいかなかった。絶えずフルスイング。この全力プレーこそが衣笠の真骨頂です。」
「彼は野球ばかりに打ち込んでいたと思われがちだが、彼は授業にも全力投球だった。美術の授業では絵もよく描いたし、将に文武両道の模範生でしたヨ!それは引退後、広島県立大学客員教授に就いたり、文部省(当時)の「心の教育」を審議する中央教育審議会専門委員になっていることからもよくわかる。彼は決して野球だけの男ではなかった。」
これこそが”平安魂”と感動し、紹介させていただきました。
あらためまして哀悼の誠を捧げ、合掌してお念仏申します。