3月1日(金)、2018(平成30)年度卒業証書授与式を挙行いたしました。440名の卒業生、本当に凛とした見事な姿勢で、立派にして厳かな式典となりました。
卒業生の皆さん、本当におめでとうございました!
保護者の皆さま方、本当にありがとうございました。
龍谷大平安は、あなたたちを心の底より誇りに思います。
どうか幸多い人生を歩まれることをお念じ申し上げます。
次は、卒業生の皆さんにお贈りした校長式辞の一部です。
皆さんのこれからの人生のステージとなる21世紀は、その変化を見通せない激動と混乱の時代と表現されています。極度に国際化され情報化された社会が到来し、世界でも最速の少子・高齢長寿化がさらに進行していきます。労働者人口の激減に伴う外国人労働者への依存度の増大、AI人口知能技術の進展に伴う社会システムの大変革のなかで、異なる宗教や生活様式を基盤とする異文化との日常的な接触、単純作業にとどまらない分野でのAIOT化の促進など、従来の日本人が体験したことのない社会環境が君たちを取り巻きます。その中であっても、皆さんは「らしさ」を失うことなく、紛れもない自分らしさを発揮し続けていかなければなりません。
先日、本校の仏参で、こんなお話を聞きました。
シンガーソングライターの槇原敬之(マキハラ ノリユキ)さんが、仏説阿弥陀経に感化されて、「世界に一つだけの花」を作詞作曲されたというこことです。
スマップによってこの歌は大流行を見たわけですが、その歌詞の一部は次のとおりです。
花屋の店先に並んだ いろんな花を見ていた
ひとそれぞれ好みはあるけど どれもみんなきれいだね
この中で誰が一番だなんて 争う事もしないで
バケツの中誇らしげに しゃんと胸を張っている
それなのに僕ら人間は どうしてこうも比べたがる?
一人一人違うのに その中で一番になりたがる?
そうさ 僕らは 世界に一つだけの花
競い、争い、優劣を気にかけ、国籍・民族・文化などの違いに関わらず、誰もが等しく阿弥陀様から願われた存在であることを忘れ、ましてや人間そのものを人工物と比較してその資質や能力に疑いを抱くなどということは、絶対にあってはならないことです。
変化を予測できない激動と混乱のなかにあっても、今というかけがえのない時間を大切にし、時間は永遠に続くものではないということをよく自覚して、自分らしさという今生きていることの証を何にもまして大切にしてほしいものです。
すべてのいのちはいただいたものです。きれいな花も、人の好みでそうでない花も、中には咲ききれない花もあります。しかし、それらはそれぞれにかけがえのないもので、すべてのいのちは仏様からいただいたもの、そこに優劣をつけ粗末に扱うことなど絶対にあってはなりません。
自分らしさということは、将にこの世でオンリーワンのもので、自分の数だけ、無数のオンリーワンが存在します。
ことばを大切に じかんを大切に いのちを大切に
龍谷大平安の「三つの大切」をもう一度よく味わい、これからの永い人生において決して忘れることのないようにしていただきたいと思います。
卒業生の皆さんに次の言葉をお贈りいたします。それは、お釈迦様の最期のお言葉とされるものです。
もろもろの現象は移ろいゆく。怠ることなく 努めなさい!
どうぞ自分らしさを忘れないでください、
あなたたちがなりたい自分になるために!
高いところからではありますが、幸多い人生をお念じ申し上げます。