11月御命日法要によせて
今年(平成24年)仏教伝道協会から『仏教入門 人生は丹精 ――まごころをこめて――』という一冊の本が発行されました。
釈尊は、この現実の世界を「苦」であるとみきわめ、それを乗り超える道を示されました。
この世において、どんな人にも成し遂げられないことが五つあります。
それは、
一つには、老いゆく身でありながら、老いないということ
二つには、病む身でありながら、病まないということ
三つには、死すべき身でありながら、死なないということ
四つには、滅ぶべきものでありながら、滅びないということ
五つには、尽きるべきものでありながら、尽きないということ
です。生まれた者は誰でもがやがて老い、病み、そして、死ぬときづいたとき、いたずらに悩み苦しむことになりますが、仏の教えを受けた人は、避けがたいと知るから、このような愚かな悩みを抱くことはないと、釈尊は、説かれました。
――(中 略)――
私たちは限りある身体と、いずれは滅びなければならない生命とに縛られている自己(自我)に執われて、それを日常生活の中心としているために、対立矛盾に悩まされ、迷いを離れることができないのですが、いつかはそれを超えて、正しい仏教的信証により本来の自由清浄なる仏の世界に帰入したいものです。
「まえがき」にはこのように記されています。これは、いわゆる「四苦」(生・老・病・死)のことで、人生は苦であるということであります。仏教では、一切は苦であるといい、この世は迷いの世界であるといいます。この「苦」とは、自分の思いどおりにならないことをいい、まさに、「老いること・病むこと・死ぬこと」は、自分の思いどおりにはなりません。
では、この世は迷いの世界であるわけですが、この人間社会が住みよい立派な社会となるよう、積極的に実践してゆかなければならないことが、次の四つです。
○他人に施しをすること
○腹を立てないでじっと我慢すること
○一生懸命努力すること
○何事にでも心を集中して、他のことにまどわされないこと
この四つのことを、常に心がけたいものです。
○ 日時 11月15日(木)16時00分~
○ 場所 礼拝堂
○ 法話 石原 光雄 先生(社会科)
◎ みなさん、お揃いでお参りください。