龍谷大学付属平安高等学校・中学校の生徒の皆さん、遅くなりましたが、おはようございます。(現在11日午前10時)
お元気ですか? 体調に異常はありませんか? 体温を、朝夕、計っていますか? 私の今朝の体温は、35.7度、先ずはひと安心です。
今日は、「今月の聖語」を紹介します。
『世の中 安穏なれ 仏法 ひろまれ』
これは、「親鸞聖人御消息」第25通に、次のように記されていることに依るものです。
往生を不定におぼしめさんひとは、まづわが身の往生をおぼしめして、御念仏候ふべし。 わが身の往生一定とおぼしめさんひとは、仏の御恩をおぼしめさんに、御報恩のために、御念仏こころにいれて申して、 世のなか安穏なれ、仏法ひろまれとおぼしめすべしとぞ、おぼえ候ふ。よくよく御案候ふべし。このほかは、別の御はからひあるべしとはおぼえず候ふ。
<浄土真宗聖典註釈版(第2版)784頁>
《現代語訳》 浄土に往生できるかどうか不安なひとは、まず自らの浄土往生をお考えになって、念仏するのがよいでしょう。 自らの往生は間違いないと思う人は、仏のご恩を心に思い、それに報いるために心を込めて念仏し、世の中が安穏であるように、 仏法が広まるようにと思われるのがよいと思います。よくお考えになってください。この他に、特に何か考えなければならないことがあるとは思いません。
<浄土真宗聖典『親鸞聖人御消息 恵信尼消息』(現代語版)82頁>
戦争への危機感やいのちの軽視、倫理観の欠如などに伴う出来事が相次ぐ現代社会にあって、私たち一人ひとりが自己中心のこころを反省して、同じ命を生きている相手の存在に気づくことが求められています。
自分一人を善として、相手を排除する考え方に真の安らぎはありません。
善と悪に固執する偏見を破り、対立の構図を解消できるのは仏の智慧だけであります。聖人は、仏法が広まり、世の中が安穏であることを願われました。そのお心をいただきましょう!
<浄土真宗本願寺派解説>
この聖語は、2011(平成23)年4月から翌年1月まで勤修された『親鸞聖人750回大遠忌』のスローガンにも選ばれたものです。
『世の中 安穏なれ』 これほど切実な願いはありません!