平安学園校友関係物故者追悼法要
本年度は学園関係者およびそのお身内の方々が33名お亡くなりになられました。本日はその方々を追悼する法要を勤修し、これを機縁として私の生き方を学ぶという意義深い日であります。
さて、それではお亡くなりになられた方々は、いったいどこへ行ってしまわれたのか…と思うと、悲しみどころか不安で、とても辛い気持ちになります。
お釈迦様は、『生老病死』という四苦に「愛別離苦(あいべつりく)」「怨憎会苦(おんぞうえく)」「求不得苦(ぐふとくく)」「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」という四つの思うようにならない苦を合わせて八苦とされました。この八苦の中に「愛別離苦」と名付けられる苦があります。私たちはこの世で、愛する人と必ずお別れをしなければならないという苦しみのことです。
それでは、お亡くなりになられた方々は、いったいどこへ行かれたのでしょう。その答えは、今、みなさんと歌いました追悼の歌『み仏に抱かれて』に歌われておりますので、味わってみましょう。
み仏に抱かれて
1.みほとけに 抱かれて
君ゆきぬ 西の岸
なつかしき おもかげも
きえはてし 悲しさよ
2.みほとけに 抱かれて
君ゆきぬ 慈悲の国
みすくいを 身にかけて
示します かしこさよ
3.みほとけに 抱かれて
君ゆきぬ 花の里
つきせざる たのしみに
笑みたもう うれしさよ
4.みほとけに 抱かれて
君ゆきぬ 宝楼閣(たまのいえ)
うつくしき みほとけと
なりましし とうとさよ
1番の歌詞は、君ゆきぬ「西の岸」です。彼岸は、西方にあるとされます。西方浄土のことです。
2番の歌詞は、君ゆきぬ「慈悲の国」です。仏様のお心を表す言葉が慈悲です。人々をいつくしみ、苦しみを取り去る心です。この心に満ちた国のことです。
3番の歌詞は、君ゆきぬ「花の里」です。四季の花々が咲き競う美しい世界です。
4番の歌詞には、君ゆきぬ「宝楼閣」とあります。仏説阿弥陀経には、宝石でできた建物が描写されています。
つまり、この「西の岸」「慈悲の国」「花の里」「宝楼閣」の四つとも、お浄土・阿弥陀如来の国を指す言葉であります。亡くなられた方は、仏さまに救われてお浄土へ行かれ、すでに仏さまになっておられますからご安心ください…と歌われているのです。
ということは、私が亡き人々のことを案じていたのですが、実は、亡き人々の方から「いつまでも悲しんでばかりはおれませんよ!しっかり生きなさい!」と案じられている立場であったのです。このことに、一日も早く気づき、私のいのちを精一杯磨き輝かせる努力をしましょう。それが、いのちを大切にし、先に逝かれた方々に応える私の生き方であったことに気づくことになるのです。
本日は、ようこそお参りいただきました。
2012/12/10(月)14:40~ 西本願寺御影堂にて