本日、5月21日(金)、宗祖親鸞聖人の降誕会法要を勤修させていただきました。あわせて学校創立145周年を迎える本校の開校記念式も開催いたしました。
親鸞聖人は、承安3年(1173年)4月1日(新暦の5月21日)、京都の日野の里にお生まれになりました。父は日野有範<ひのありのり>、母は吉光女<きっこうにょ>という方です。聖人9歳の春、青蓮院<しょうれんいん>で得度し、「範宴<はんねん>」と名乗り、比叡山で天台宗の学問と修行の日々を過ごされました。
比叡山に登った聖人は学問や修行に励まれますが、自力の教えに限界を感じられ、比叡山を下りることを決心されました。そこで、聖人は「六角堂」に通われました。そして95日目の暁に夢告を受けられ、法然聖人に出会い、お弟子になられました。法然聖人と過ごす日々は長くは続きませんでした。承元元年(1207年)「承元の法難<じょうげんのほうなん>」に遭い親鸞聖人は越後(現新潟県)へと流罪となりました。その後流罪が解かれましたが、すぐに京には帰らず、関東に移られ約20年間の伝道生活を送られました。聖人61、2歳の頃、京に帰られ、親鸞聖人の主著である『教行信証』<きょうぎょうしんしょう>をはじめ、数多くの書物を執筆されました。そして、弘長2年(1263年)、90年の生涯を静かに閉じられました。
本日は、親鸞聖人のお誕生をお祝いする宗祖降誕会です。聖人の説かれる教えとは、阿弥陀仏の慈悲に照らされ、一切の衆生が本願念仏によって平等に救われるという教えです。親鸞聖人がお示しになった念仏を拠り所に、生かされている喜びをかみしめ、報恩感謝の生活を送りたいと思います。
また、本日は「開校記念日」であり、本校の前身である金亀教校が滋賀県に開校したのも5月21日です。つまり、本日は宗祖の誕生と本校の開校を祝う日となります。
[式次第]
開式の言葉
1 行事要文
2 献灯・献華
3 「敬礼文」・「三帰依」 ・・・ 導師焼香
4 「さんだんのうた」 ・・・ 校長、生徒代表焼香
5 「念仏」
6 「宗祖降誕会の歌」
7 法話・・・ 野田 茜 先生<中学生・高校1年の部>
中村 啓誠 先生<高校2年生・3年生の部>
8 「恩徳讃」
9 「校歌」
10 合掌・礼拝
閉式の言葉
[行事要文]
平安時代の末期、政治は混乱を極め、戦乱が絶えることなく、天災が相継ぎ、人々は不安な生活を送っていました。そのような時代に、浄土真宗)の宗祖親鸞聖人は、京都日野の里で誕生されました。1173年5月21日のことです。
親鸞聖人は、9歳の春、出家得度し、比叡山の僧侶となられ、およそ20年間学問と修行に励まれました。しかし、迷いを離れる道を見出すことができずにおられた29歳の時、法然聖人に出会われ、阿弥陀仏の本願を信じ、念仏する身となられたのでした。
念仏者、親鸞)聖人の誕生でした。
その後、90年の生涯を終えられるまで、結婚して家庭をもち、妻を愛し子どもを育て、人間親鸞として人生を歩みながら、お念仏を喜ばれました。そして、いかなる人間でも、あゆむことのできる仏の道、南無阿弥陀仏のみ教えを、不安と苦悩の世に生きる人々に伝え広めていかれたのです。
親鸞聖人のご誕生からおよそ700年後の1876年、浄土真宗のみ教えを建学の精神に掲げ、本校、龍谷大学付属平安高等学校・中学校は誕生しました。
本日は、お念仏の教えをお示しくださった親鸞聖人のご誕生をお祝いする行事であり、そのみ教えを建学の精神に謳う本校の開校記念を共に祝う日でもあります。