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いのちの一行詩 2021年12月04日(土)13時10分

写真11月16日(火)は、本校の「秋の人権学習日」でした。テーマは『いのちを考える』。高校3年生の皆さんには、入学以来の人権学習の集大成となるものです。
講演は『いのちを考える教室』-京都府・京都市・京都府警合同による”犯罪被害者支援への取り組み”。講師は 岩城順子氏(犯罪被害者コーディネータ)にお願いいたしました。生徒たちはご講演傾聴の後、「いのちの一行詩」を作成いたします。

ご講演をお願いしました岩城さんは、犯罪被害者支援コーディネータをされています。大学生だった愛息が傷害事件に巻き込まれ、他界してから16年。悲しみと向き合いながら、犯罪被害者遺族として各地で重ねた講演は150回以上を超えたそうです。
平成8年3月24日。1本の電話が入った。宮崎県で下宿して大学に通っていた長男、道暁さん=当時(20)が、見知らぬ男に因縁をつけられ、暴行を受けたという連絡でした。翌朝、駆けつけた病院で道暁さんと対面。目立った外傷はなく、一度は安堵した。うまく話すことができなかったが、「ショックのせいかな、と思った」という。しかし、暴行で脳に損傷を受けており、病状は日に日に悪化する。夫と隔週で宮崎を訪ね、看病する生活も限界を超え、務めていた養護学校を退職されました。道暁さんは入退院を繰り返し、次第に歩くことも困難になりました。言葉をかわせなくなってからも身ぶり手ぶりでコミュニケーションを取りながら看病を続けたが、3年近くにわたる闘病の末、22歳で死去されました。犯罪被害に遭うと、それまでの生活がめちゃめちゃになってしまいます。
事件直後は「何をどうすればいいのか、まったく手がつかなかった」そうです。
つらい時期を乗り越えられたのは、家族や大学の友人たちの支えがあったからだそうです。時間を重ねたからこそ、話せることがある、「被害者がどんな気持ちなのか、一人でも多くの人に知って欲しい。機会をいただける限り、どこにでも行って話をします」とのことです。

お話を聞いて生徒の皆さんが作成した「いのちの一行詩」、各クラス2名の代表作品です。

□ 己の命には両親の命が宿っている それつなげなあかんねん
□ 喜び 苦しみ 感動 不満 生きているからこそ 得られる幸せ
□ 悲しくて涙を流した昨日も 生きていたからできたこと
□ 私もあなたも だれかの大切な人 大切にしよう命
□ 何人も骨になっては話せない
□ あなたが死にたいと思った今日は 昨日亡くなった方が死ぬほど生きたかった明日
□ あなたが生きているだけで 笑顔になれる人がいる
□ 明日を迎えられるものが明日を棄て 明日を迎えられないものが明日を望む
□ 広げた両手が救いになる
□ 一歩立ち止まってする選択が 自分や他人を救うかもしれない
□ 私はこの日常を悔いなく生きる 失ってから気づくのが あたり前になるのは嫌だから
□ 「またね」だなんて言わないで 繋いだその手離さないで 今日こそ言うよ「ありがとう」
□ 愛して愛されること 私の幸せ 生きていたい理由
□ 一人じゃない その一言が 救いの手
□ お父さん お母さん ありがとう
□ 「死にたい」と言った人に一瞬でも「もうすこし生きたい」という瞬間をつくれる人になりたい
□ ヒーローは 優しい言葉が 言える人
□ 一人の命じゃない 一人の人生じゃない でも一つしかないかけがえのないもの みんなで守ろう
□ 頑張りすぎないで 逃げたって大丈夫
□ わたしの“ありがとう”は 誰かからの“ありがとう”
□「頑張って」よりも「いつも頑張ってるね」 生きているだけで頑張っているから
□ まだ咲かぬ芽も 必ず芽吹きが訪れる
□ 「共感」という伴走
□ 寄り添い紡ぎ出された言葉は 人の心を救う
□ 思いやり 人と人とを つなぐ糸
□ 「味方だよ」 その一言で救われる
□ いのちがひとつなくなれば まわりのこころがみんななくなる
□ 「大丈夫?」 その言葉が命綱