今年も12月8日が過ぎ去りました。
昨日の「成道会」の校長ブログでも紹介しましたが、もちろんこの日は、釈尊が35歳で真理に目覚められ仏陀となられたと伝えられる日です。
また、8月15日ほど大きくは取り上げられることもありませんが、1941(昭和16)年12月8日は太平洋戦争開戦の日です。「ニイタカヤマノボレ」・「トラトラトラ」といっても何のことかさっぱり?という人々が大半ですが、日本軍のイギリス領マレー半島上陸で日英が、日本海軍の真珠湾奇襲攻撃により日米が戦争状態に入り、1945年8月15日のポツダム宣言受諾、9月2日の降伏文書調印までこの戦争は継続されます。日本の国家としての戦争敗北は、663年の白村江の戦い以来約1300年ぶりであったとも言われています。
日本政府は、1963(昭和38)年5月14日の閣議決定「戦没者追悼式の実施に関する件」において、「戦没者」とは「日中戦争以降の戦争による死没者(軍人・軍属及び準軍属のほか、外地において非命に倒れた者、内地における戦災死没者等を含む者)」であると決定し、その数を310万人としています。悲惨極まる犠牲です。
驚くべきは、20世紀中の全世界での国家間の戦争による死傷者総数は、人類誕生以来19世紀末までの戦争死傷者総数を上回るともいわれます。将に20世紀は「戦争の世紀」だったのです。
浄土真宗本願寺派(西本願寺)では、戦争によって尊いいのちを失われたすべての方々を追悼し、悲惨な戦争を再び繰り返してはならないという平和への決意を確認するため、1981(昭和56)年から毎年、東京・国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑において「全戦没者追悼法要」を勤修されています。本年は、コロナ禍や台風14号の影響でインターネット参拝を案内し、築地本願寺に法要会場を移すなどのことがありましたが、9月18日(土)の午後1時30分から厳修されました。
この法要の中では、例年、宗門関係学校生徒作文の朗読と表彰式が行われますが、「いのちの尊さ」「非戦・平和の大切さ」をテーマとした作文について、龍谷平安の中学・高校からも代表作4編をお送りしています。寄せられた作文の総数は46作品でしたが、その中で本校中学校の 米田 京香 さんの作文が見事に「優秀賞」に輝きました。本当におめでとうございました。作文タイトルは「二つの平和」。米田さんの優秀賞作品を含む本校の代表作4編は、次のとおりです。
中学校
□ 米田 京香 「二つの平和」- 優秀賞受賞!
□ 濵口 夢乃 「世界中の人達の幸せを願って」
高等学校
□ 小澤 優 「尊いいのち」
□ 鶴澤 素羽 「幸せに生きるということ」
持続可能な国際社会の建設と発展の基礎は非戦と平和にある!と言っても過言ではありません。この追悼法要の”作文”には、今後も龍谷平安は一所懸命取り組んで参りたいと思います。『いのちを大切に』は「平安の最大の願い」です。
※ 掲載の写真は、築地本願寺と米田さんに優秀賞表彰状と記念品を伝達したときのものです。