3月1日(火)、午前10時から本館3階講堂にて龍谷大学付属平安高等学校第74回卒業証書授与式を挙行いたしました。
卒業者は471名。降雨の予想される日ではありましたが、幸いにも午前中は雨も降らずに厳粛な卒業式を挙行できました。
ただ、コロナ禍第六波の最中でもあり、会場である講堂に入堂いたしましたのは教職員と卒業生のみ、各ご家庭1名の保護者の皆さまはクラス単位に別室にご入室いただき、リモートのライブ中継を視聴していただきました。保護者の皆さまにはご子女の晴の卒業式、誠に申し訳なく存じましたが、感染防止の対策のためとご理解いただき、ご海容いただきたく存じます。
卒業生を代表して福井瑶一君が「卒業生のことば」を披露してくれました。卒業に当たって”感謝”の気持ちを申し述べたいとして、在学を共にした友人、学校生活を支えていただいた先生方、そして今日まで産み育ていただいた家族の方々への深い感謝の気持ちを溢れる気持ちと共に申し述べてくれたました。壇上にある私もグッと熱いものが込み上げてきましたが、この思いは決して私だけではなかったと信じます。また、卒業生の皆さんより卒業記念品として「ソーラー式LED人感照明外灯一式」が贈呈されましたことを紹介して、この6年間または3年間、龍谷平安での生活を共にできたことを喜び、私どもの誇りといたします。
校長としての式辞は、次のとおりです。
卒業生の皆さん、本日のご卒業、誠におめでとうございます。
皆さんは、在学中の三年間、本当にいろいろな「変化」に翻弄され続けてきました。
百年に一度とも言われるこの新型コロナウイルス感染症の二年以上にも及ぶ世界的大流行は、未だ完全終息の見通しも立たず、現在は国内流行の第六波の中にあります。皆さんは、高校一年生の時こそ、その年度の当初に計画した学校行事を計画通りに実施してきましたが、高校二年生進級早々の二ヶ月にも及ぶ全国一斉臨時休校を皮切りに、研修旅行を実施することもできず、異例が日常ともなる学校生活を送らざるを得ませんでした。その上、本日の卒業式も、本来は保護者の皆さまやご来賓の皆さま、本校教職員がこぞって皆さん方の学業の修了と新しい門出を厳粛且つ盛大にお祝いするべきでありましたが、このような厳粛にしても簡素な形で挙行せざるを得なくなりました。
おおよそ二年前に過ごしていた日常は、このコロナ禍により、そのほとんどが非日常となりました。私たちは、かつての平穏な日常の中で当たり前と疑いもなく思い込んでいた事々が、現在のような異常な社会情勢の中では、実は決して当たり前のことではなかったと思い知らされています。かつての当たり前は、今は「あり得ない」「有り難き」こととなっています。
少し大げさに表現しますと、皆さんは現代史上、かつてないほどの「変化」に直面しています。そして、この「変化」自体もさまざまに更なる変化を重ねます。流転・無常の日常は、好転するばかりとは限らず、時に暗転することもあるかとは思いますが、そうした世上であるからこそ、皆さんにはご卒業後も「変化」に動じない行動・実践の哲学を堅持していただきたいものです。
本校の「建学の精神」である三つの大切、“ことばを大切に” “じかんを大切に” “いのちを大切に”をもう一度しっかりとその意味を吟味して、「自省利他」即ち「他者との関係性の中で厳しく自分自身を見つめ直し、ご縁あるすべての人々の幸せに資しているか」、「共創」即ち「自分自身の可能性や価値を自覚くして、他者の可能性や価値を同様に認め受け入れて、協働する心を持っているか」を問い続けて欲しいと念願いたします。
結びに、保護者の皆様方に衷心よりのお祝いと御礼を申し上げ、卒業生の皆さんに次の言葉をお贈りいたします。それは、お釈迦様の最期のお言葉とされるものです。
もろもろの現象は移ろいゆく。怠ることなく努めなさい!
どうぞ、報恩と感謝の日々を積み重ねていかれることを念じ、本日の式辞といたします。
卒業生の皆さん、本当におめでとうございました!!!!!!