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教育実習生受け入れ式 2012年05月26日(土)15時00分

平成24(2012)年度 龍谷大学付属平安中学高等学校 教育実習生受け入れ式

2012/05/26(土)15時~ 於、特別教室1

校長挨拶
 本日は、龍谷大学付属平安中学高等学校では、午前中は高校2年生の保護者会、午後は高校1年生の保護者会が行われまして、多くの保護者が一日中出たり入ったりという1日でありました。
 さて、本校(龍谷大学付属平安中学高等学校)に学んで母校で教育実習に臨んでくれた卒業生も多いので、何度も耳にしていることかもしれませんが、龍谷大学付属平安中学高等学校は1876(明治9)年、滋賀県彦根の地に「金(こん)亀(き)教(きよう)校(こう)」として創立され、その後、「金(こん)亀(き)仏教中学」「第三仏教中学」を経て、1910(明治43)年に現在地にて「平安中学校」を名乗りました。従いまして、わが学園は先日、5月21日で満136歳になりました。
 一般には教育の三本柱として、知育・体育・徳育の三つが挙げられますが、平安の目指すところは、上記三本が並立している図式ではありません。土台に宗育(徳育)があり、その幹から知育・体育の花が咲き、実がなるという図式です。知性を磨くこと、体育に精一杯の汗を流すことはもちろん大事なことではありますが、それ以上に大切なことは、自己の真実の姿を徹底的に真摯にたずねることです。その姿勢があってこそ、聖なるもの、(絶対的なもの)に触れることができ、そこで初めて、本来の真の人間の生き方ができるのであり、そこにこそいかなる困難にもくじけることのない強靱な生き方が生まれるのです。知性の開花も体育の充実も、その上に成り立つことを理想としています。つまり、その土台になるのが宗育で、それを礎とし、人間力を向上させ、ひいては学力向上・体力向上に繋がっていきます。まさに、知と情を統合する教育が、本校の目指すものです。具体的には思いやり・自制・協力・調和を重んじる教育、EQ「こころの知性」を磨くのが平安です。
 本校では、生徒の精神の発達段階を考慮し、平安には3つの大切があることを生徒たちに示しています。「ことばを大切に・じかんを大切に・いのちを大切に」です。平安がどういう人間づくりを目指し、教育活動を展開するかを示した建学の精神であります。
 まず「ことば」は心の表れだから、素直な心と謙虚な心を持って、常に心を整えるようにしなさい。
二つ目の「じかん」は時々刻々と進んでしまいます。今日すべきことを明日に延ばしてはいけません。今という時間を大切にしなさい。
 三つ目は「いのち」を磨くのは自分しかいません。いつまでも親や先生を頼ってはいけません。今は自分のいのちを磨く時です、しっかり磨きなさい。
 心を開いてものを見ることができるように、宗教的なものの見方ができるように、子どもたちのそんな人格形成、人間づくりをするサポートをすることが、教師の仕事だと考えています。
 最後に、先日5月21日に宗祖降誕会・開校記念式典が行われ、本校と非常に関係の深い地理的にも平安の北側に位置する知真保育園副園長の苗村隆之先生(浄土真宗本願寺派布教使)に講師としてお話しいただきました。その時のお話しで、次のような内容がありました。苗村先生が保育士の新任研修に行かれた時、全研修生に園長先生が質問されました。あなたがクラス担任をしているとします。いつも、集合の合図をしても、遅れてくる子が一人います。その子を、何とか「集まれ」の合図の後、一番に集合させたいと思います。あなたならどうしますか。[Ans.その子の隣で集合をかける]です。
常に、子どもの目線にあわせ、子どもの気持ちに立って対応するということです。それが、保育士としての「いろは」の「い」です。というお話しでした。
 実は、教師の「いろは」でもあるのです。生徒に迎合するということではありません。生徒一人一人の気持ちにたって対応してあげるという姿勢です。それが、膝と膝とをつき合わせ一対一で対峙する教師の姿であります。限られた期間ではありますが、どうぞあなた方が、理想の教育を全力で実践してみる期間にしてください。
 これで私の挨拶といたします。