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御礼 平成25(2013)年度 生徒保護者対象学校説明会 2013年06月09日(日)16時22分

本日6月9日(日)午前10時~中学・午後1時~高校の平成25(2013)年度第1回生徒・保護者対象学校説明会を本校講堂にて開催いたしましたところ、中学高校併せて約400組の生徒保護者にご来校いただきました。誠にありがとうございました。取り急ぎ御礼申し上げます。
 ○7月7日(日)オープンキャンパス(中学)13時30分~16時
 ○9月23日(祝)オープンキャンパス(中学・高校)13時~16時
  ご来校いただきますよう心よりお願い申し上げます。

学校長挨拶

 本日は、本校の「2014年度入試の第1回学校説明会」に、たいへんお忙しい中、お越しいただきまして誠にありがとうございます。心より御礼申し上げます。
 さて、明治9(1876)年、滋賀県彦根の地に「金(こん)亀(き)教校」として創立されました、本学園も、この5月21日で満137歳になりました。本校は創立以来、親鸞聖人のみ教えに基づく心の教育を謳い、宗教的情操の涵(かん)養(よう)を理想としてきました。「宗教的情操の涵養」というのは少し難しすぎますね。わかりやすく言いましょう。
 本校では、毎朝仏参をおこなっています。仏参は文字どおり仏さまにお参りすることをいいます。
 仏参は「私を救わずにはおけない」という仏の願いを聞かせていただくためにおこなわれるものです。ましてや私の願い事をかなえるためにお参りするのではありません。静(せい)坐(ざ)して、「合掌・礼拝(らいはい)」をおこなう姿は人間の最も美しい姿だといえます。そういう意味でも「仏参」は、自分とむき合う時間と位置づけられるでありましょう。この「仏参」や様々な「宗教行事」を通して、宗教的なものの見方が、自然に心に染み込んでいくのです。そして、仏教的なものの見方ができることと、素直に人の話を聞く姿勢をつくるのです。これが「宗教的情操の涵養」です。
 一般には、知・徳・体がバランスよく保たれることを理想としますが、本校の考え方は、徳育を土台とします。その徳育を龍谷大平安では宗育と言います。こころを一本の幹(き)にたとえると、花や葉は、夢の実現や体力・学力の向上、それを支える枝は、知育と体育、そして、その枝に栄養を運ぶ動脈は人間力です。そして、幹を育てる根から吸収されるすべての栄養源がEQ「こころの知性」であり、このEQ「こころの知性」を磨くのが本校が行う宗育です。
 敢えて、treeやwoodの「木」を使わず、「幹」という漢字に「き」とふりがなをふらせていただいているのは、目に見えない、地面から下の部分を大切にしたいからです。こころを開いてものを見ることができるように、仏教的なものの見方ができるように、みなさんが、そんな人格を形成し、立派な人間になることを願っているのです。
 以上、お話しいたしました「仏教精神に基づく情操教育を行う」という建学の精神を具現化する手立てとして、ことばを大切に・じかんを大切に・いのちを大切にと子供たちにもわかりやすい表現に置き換えております。その一つ「ことばを大切に」に焦点を絞ってお話しいたします。
 仏教に布(ふ)施(せ)の行(ぎよう)といって、他の人にものを施したり、教えを説いてあげたりすることがありますが、ものを施すこと以外に、施すことのできるものとして「無(む)財(ざい)の七施(しちせ)」といわれる七つの行いがあります。「無財」とは、お金や品物のことではなく、真(ま)心(ごころ)をもって接することです。その『無財の七施』の中に、心からの優しい言葉をかけていく『言辞施(ごんじせ)』があります。
 みなさん、振り返っていただき、今でも覚えているうれしかったことって何でしょう。悲しかったことって何でしょう
 大好きな友だちから、尊敬する先生から、両親から、あの時、あんなことを言ってもらったとか、あんなひどいことを言われてしまったとか、ということがあると思います。お金や品物をもらったというのもありがたいですが、言葉のプレゼントは相手の心にふかく届き、励まし勇気づけることができます。励ましたい相手、喜ばせたい相手の前で、そっと心を落ち着けて、その人が何をわかって欲しいか、望んでいるか、耳をそばだててみることが大事なのです。自分の言いたいことや自分の聞いて欲しいことでなく、ちょうど、自分が鏡のようになって相手の心を自分に映してみるのです。そして、悲しみや苦しみ喜びをなるべく共感して、心をこめて言葉をかけるのです。心からの優しい言葉は生きる力や勇気を与えます。
 優しいの「優(ゆう)」という字は「人」によりそって「憂(うれ)う」と書きます。だから、相手の悲しみを一緒になって悲しむ心、思いやりの心、正に布施の心のことです。逆に、注意をしなければならないのは、不用意に言った言葉に深く傷つけられたり、傷つけたりすることです。肉体の傷は治っても、一生きえない心の傷もあるのです。形あるもの、お金や財産を施すことも尊いですが、大切なものは、目に見えないもの、無形の財産を施せる人になりたいものです。
 これは、財産がなくても、人々に喜びを与えることができるという教えです。「大きなことでなくてもいい。人は、日常のささやかな行いによって、喜びの種をまき、花を咲かせることができる」とお釈迦さまは教えています。逆説的に言いますと「自らの心のあり方を整えなさい」という教えでもあるのではないでしょうか。出逢う人に、温かい気持ちや喜びの種をまく人生を送りたいものです。こう考えると、人生は、自分の心の持ち方次第であるとつくづく感じます。本校が目指す「こころの知性」EQを磨く宗育は、ここにあります。宗教教育、特にこころの教育とは、すぐに答えの出るものではありません。だから、すぐに答えを求めるのではなく、質のいい喜びの種を、子どもたちの在学中にしっかりと蒔くことが大切なのです。
 今、日本の中学生・高校生は、激動する社会の中で、さまざまな不安や悩みを抱えています。かつてなら、「そんなのお前の責任だ!」と言って、済んでいたような「基礎的な問題が解けない」「友達ができない」「将来やりたい事が見つからない」など、現代は、そのような問題につまづく若者が増えております。
 そういう子どもたちに、龍谷大平安としてどのようにサポートできるか徹底して考え、実行に移すというのが、我々の使命だと考えます。
 先にも述べましたが、こころの教育とは、すぐに答えを求めるのではなく、入学「前」から卒業「後」まで、いや、もっと先、生徒一人一人の一生涯を見据えてサポートするということでありましょう。その意味では、心の教育・人づくりとしてのエンロールメント・マネジメントの大切さを感じます。中学・高校の、六年間や三年間に、どれだけの質のいい喜びの種を蒔けるかにかかっています。
 龍谷大平安は、この喜びの種を蒔き、花を咲かせることができるように、しっかりとサポートすることをお約束いたします。
 最後に、今年度で中高一貫コースが3学年そろいました。次年度からは、この中高一貫を「一貫選抜」として新たなスタートを切ります。今までにお話しました教育理念は、龍谷大平安の教育の根幹として、人間力を確実に身につけ、国公立・有名私立大学を目指すコースとして、しっかりと進学校化いたします。
 また、高校におきましては、次年度募集より「選抜特進」「プログレス」「アスリート」として、さらにコースコンセプトの明確化をはかります。
 少しややこしいかもしれませんが、龍谷大学教授陣と本校5教科教員により10年以上にわたる教科ワーキングを経て育て上げた「プログレス」の名称を龍谷大学進学コースと位置づけ、教学面はもとより、今後は施設面も含め、クラブ活動など、龍谷大学との連携を今まで以上に深めていきます。また、国公立大学および有名私立大学進学を目指すコースを「選抜特進」として新たなスタートを切ります。昨年から続く進学校化への改革は着実に進めております。月・水・金の放課後に実施しております「ドラゴンゼミ」も、4月から順調に実施し、今後の模試に、必ず成果が現れると確信しております。そして、アスリートは、従来通り甲子園を目指します。このように、次年度から、高校のコース改編を行ない、それぞれのコースコンセプトに基づき、各コース、しっかりと充実させていきます。
 このあと、スクールライフの説明が終わりましたら、校長補佐の平井正朗が具体的に説明いたしますので、よくお聞きになって、是非とも学校選びの一番に龍谷大平安をあげていただきますよう切にお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
 本日は、お忙しい中、お出ましいただきまして誠にありがとうございます。