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御礼 龍谷大学付属平安中学校・高等学校オープンキャンパス 2013年09月23日(月)17時19分

本日9月23日(祝)午後1時より平成25(2013)年度のオープンキャンパスを開催いたしましたところ、高校約1050組・中学約150組にお越しいただき誠にありがとうございました。生徒・保護者を合わせると2000名を超える数となり、講堂・礼拝堂にもお座りいただけず立ったまま説明を聴いていただくことになり、たいへん申し訳なく存じます。この場をお借りしてお詫び申し上げます。
本日、十分に話を聴いていただけなかった方は、誠に恐縮に存じますが、来る10月13日の第2回生徒・保護者対象学校説明会にご来校いただければ幸甚です。取り急ぎ御礼申し上げます。

学校長挨拶

 みなさん、ようこそ龍谷大平安のオープンキャンパスにお越しいただきました。
 本日は二十四節気の一つ秋分であります。この秋分の日を中心に1週間を秋のお彼岸と言い、我々日本人の心に根付いている心温まる意識です。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、ようやく過ごしやすい季節がやってまいりました。と言いましても、先日の台風18号では、京都・滋賀・福井に特別警報が発令され、死者、行方不明、床上・床下の浸水などの水害により多くの方が被害に遭われました。そして、東日本大震災もそうですが、今なお、平常の生活に戻れていない方々がたくさんおられます。心よりお見舞い申し上げます。
 さて、明治9(1876)年、滋賀県彦根の地に「金亀(こんき)教校」として創立されました、本学園も、今年5月21日で満137歳の誕生日を迎えました。そして創立以来、親鸞聖人のみ教えに基づく心の教育を謳い、宗教的情操の涵養(かんよう)を理想としてきました。「宗教的情操の涵養」というのは、少し難しすぎるかもしれませんが、「宗教的仏教的なものの見方や考え方が自然に染み込むように身についていくこと」を言います。
【高校】
 龍谷大平安では、ことばを大切に・じかんを大切に・いのちを大切にという三つの大切を「建学の精神」としております。その中の「ことば」について、お話しさせていただきます。
 テレビの人気漫画「サザエさん」のマスオさん役で活躍の声優の増岡弘さんがこんなお話しをされました。
 コップ一ぱいのこの水も、今飲むとわたしの喉を心地よく潤してくれます。しかし、これを熱湯にして飲ませたり、かけたりすると火傷をさせてしまいます。さらに凍らしてツララの形にすれば人を刺す凶器にもなります。同じようにあなたの口から発する「ことば」も相手のこころを癒してあげることもできるし、逆に相手を傷つけ、ダメージを与えてしまうこともあるのです。「ことば」は、目に見えないこころを伝え、人と人との心の絆を結ぶ大切な道具であり、その人の人格を表すものでもあるのです。
 対話不在とか人間関係がとみに希薄になっていると言われる現代社会において、家庭や学校での教育が指摘されています。人と人との間に潤いがなくなって、親と子や生徒と教師、生徒同士の間にもコミュニケーションが成立しにくい状況が広がっているようです。最近の新しい問題として携帯電話によるネットいじめが社会問題化しています。自分勝手な思い込みから自是他非(じぜたひ)の裁きをしてしまい、相手を誹謗したり中傷したりすることは、まさに人権を無視した許されざる行為であります。お互いに顔を合わせて温もりのある対話を家族の間でも、学校でも復活し、相手の立場を理解し、包容力のある「ことば」のやりとりができる関係を構築したいものです。と、このようなお話でした。
 このように、先生方が見たり聞いたりした話や体験談などを、一週間に一度、朝の仏参の時に生徒たちは耳を傾けて聴きます。正に自分と向き合う時間ですね。こうして過ごす龍谷大平安での三年間は子どもたちに、仏教的なものの見方や考え方が自然と身についているのです。それが、何を隠そう「宗教的情操の涵養」ということです。それが平安で学ぶ意義なのです。
【中学】
その中の「いのち」について、お話しさせていただきます。これは『京都女子大学附属小学校2年生の作文』です。
 夏休みにあった町内の地蔵盆で、あるお寺の和尚さまが、食事の時「『いただきます』と言ってから食べてるか」と聞かれた。いつも考えずにつかっている言葉だが、牛や、豚や、鳥や、野菜、果物などすべてが、私たちに食べられたくて生まれてきた生き物は一つもない。
 たとえば、大きな魚を食べたとすると、大きな魚は小さな魚をいっぱい食べているから、多くのいのちをもらっていることになる。だから、「ごめんなさい」って言わないといけない。
 このような、和尚さまのお話を聞いて、生きていくために私ってなんて残酷なことをしているのだろうと思いました。このように、多くのいのちをもらわないと生きていけない私がとても悲しいです。
 その上、食べる以外にも殺しあいをしている人間が私はとてもいやです。全人類が和尚さまのお話をよく聞いて、無駄な食事も戦いもやめるべきだと思います。
 私は毎食の『いただきます』を、心を込めて言いたいと思います。
 という作文です。みんな知っている当たり前のことですが、こういった内容を目にしたときに、あらためて『いただきます』という感謝のこころを持ちたいものですね。
 このように、先生方が見たり聞いたりした話や体験談などを、一週間に一度の朝の仏参で生徒たちは耳を傾けて聴きます。仏参とは、字の如く、仏さまにお参りすることを言います。正に、自分と向き合う大切な時間ですね。こうして過ごす龍谷大平安での六年間は、子どもたちに、仏教的なものの見方や考え方が自然と身についているのです。それが、何を隠そう「宗教的情操の涵養」ということです。それが平安で学ぶ意義なのです。
 今日は限られた時間ではありますが、龍谷大平安をしっかりと見て、存分に楽しんでください。