私たちのちかい 一、自分の殻に閉じこもることなく
穏やかな顔と優しい言葉を大切にします
微笑(ほほえ)み語りかける仏さまのように
一、むさぼり、いかり、おろかさに流されず
しなやかな心と振る舞いを心がけます
心安らかな仏さまのように
一、自分だけを大事にすることなく
人と喜びや悲しみを分かち合います
慈悲に満ちみちた仏さまのように
一、生かされていることに気づき
日々に精一杯つとめます
人びとの救いに尽くす仏さまのように
今年のノーベル平和賞が日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与されたこともあり、久々に広島平和記念資料館を訪れた。多くの記憶や当時の様子が資料館という一つの空間に凝縮されている。あらためて写真や展示で、悲惨な状況を知らされ、核兵器の恐ろしさに戦慄を覚えた。2023年度の入館者数は198万人で、外国人来館者も多いという。世界に向けて平和のメッセージを発信する資料館の果たす役割は限りなく大きい。来年は戦後80年を迎える。21世紀に入った時、新しい世紀こそは平和の世紀にという希望を持ったが、戦争はなくならないどころか、ますます拡大している。
仏教は、その出発点から平和主義を、そして平等ということを標榜してきた教えである。対立、排除ではなく、協調、受容の姿勢、一体感の醸成といってもよい。たとえば経典に出てくる世自在王仏という仏の原名には、「イシュバラ」というヒンズー教の神の名前が含まれる。異教の神の名前が世自在王仏という仏名のなかに混入していることからも、仏教が異教を受け入れている一面を知ることができる。
月は美しい姿を見せてくれるが、月自らが輝いているのではない。太陽の光によりその美しさを見せてくれるのである。これは、仏教の一体感を想起させる。仏教は合体ではなく、一体を説くと仏教学者である師から教わった。一体とは離れないということでもある。このことばの中にこそ真の平和が宿されていると思うことである。
「2024年(令和6年)12月1日(日曜日)本願寺新報『赤光白光』より」
12月御命日法要
○ 日時 12月17日(火) 16:00~
○ 場所 礼拝堂
○ 勤行 正信念仏偈
○ 法話 若林唯人 師(浄土真宗本願寺派布教使)