今月の聖語・言葉を紹介します。
今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示
【今月の聖語】
急いで善を行え 心が悪を楽しむ前に 『ダンマパダ』
良いと思ったことは、ためらわずただちに実行すべきだという意味です。お釈迦さまは「急いで善を行え」とおっしゃっており、ことわざにある「善は急げ」はこの聖語に由来します。ためらってグズグズしていると、人間の心は悪を楽しむようになってしまうというのです。この悪というのは悪事を指しているのではなく、怠惰のことです。すぐにやろうとは思っていても、怠け心が生じてしまい、結局やらずに終わってしまったという経験はありませんか。人間の心はこうした悪に流されやすく、すぐ怠けたり、楽をしたりするのです。ですから、心が悪を楽しむ前に、みなさんも良い行いや良い考えだと思ったら、すぐに取り掛かってみましょう。
【今月の言葉】
一番あてにならぬのはわが心です 武宮 礼一
よく「他人(の心)はあてにならない」と言いますが、実は一番あてにならないのは自分自身の心なのかもしれません。私たちは、自分の都合や損得勘定(何が得で、何が損なのか)によって、物事を判断しているのではないでしょうか。たとえば、仲の良い友達でいれば、相手のことを好きだという気持ちが強いでしょう。しかし、一旦喧嘩になってしまえば、仲の良い友達であっても、相手を嫌いになってしまうことさえあります。こうしたように、人の心というものは、その状況に応じてコロコロ変わってしまうものなのです。
また、私たちには自己中心的な心があり、その心の中には物差しというものがあります。その物差しで、他人や物事を測り、判断したり決めたりしているのです。他人と接する場合、相手にも物差しがあり、その物差しは人によって違うのです。そして、自分の物差しが決して正しいとは限りません。自分の心はあてにはならないものであることを、一度見つめ直すことが大切なのだと思います。