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平成29(2017)年度 御命日法要【12月】 2017年12月16日(土)12時30分

【ご案内】

伝灯奉告法要 首都圏協賛行事のシンポジウム「次世代リーダーズサミット 誰一人取り残さない」の冒頭で、ご門主が「お言葉」を述べられました。=11月8日築地本願寺本堂

 念仏者の生き方と現代的課題

 伝灯奉告法要は、鎌倉時代、宗祖親鸞聖人によって説かれた浄土真宗のみ教えが、聖人から数えて750余年、第25代門主となる私まで連綿と伝えられ、それを有縁の皆さまとともに慶ぶことができたことを阿弥陀如来に申しあげますとともに、これから先も、み教えが広く伝わることを願って勤められたものです。法要の初日に私は、智慧と慈悲からなる阿弥陀如来のお心に出遇った私たち念仏者が、この現実の世界でどのように生きていくかということについて、詳しく述べさせていただきました。
 おさとりを開かれた仏さまの智慧の眼から見られたこの世界の真実とは、すべての物事は限りない過去から一瞬もとどまることなく、絶えず変化・生滅しており、しかも、それらすべての物事は、必ず互いに関わりあって存在しているということです。そのような中に、自分自身で単独に、固定した実体として存在しているものは何ひとつないのです。このありのままの真実を、仏教の専門用語では縁起・無常という言葉で解き明かされています。
 しかしながら、私たちはこのありのままの真実に気づかず、常に物事を自分の都合が良いように考え、自己中心的にしか見ることができません。こうした自己中心的な考え方や物事の見方を仏教では、無明煩悩といいます。このような私たちが、あらゆるものを救おうという阿弥陀如来のお慈悲の心を聞かせていただく時、自己中心的にしか生きられない私であることに気づかされ、少しずつではありますが、阿弥陀如来のお心に導かれ、煩悩を克服していく生き方へとつくり変えられていくのです。
 今日の世界には、テロや武力紛争、経済格差、地球温暖化、核物質の拡散、差別を含む人権の抑圧など、国の内外で、世界規模での人類の生存に関わる困難な問題が山積しています。そして、世界では実に多くの方々が、このような現状の中で悲しみ苦しまれています。すべてのいのちあるものを必ず救おうという阿弥陀如来のお心を知らされた私たち念仏者は、他の人びとの悲しみや苦しみに無関心ではいられません。もちろん、私たちは生きている限り、自己中心的な欲望である無明煩悩を克服しきれるわけではなく、仏さまのように、すべての人びとの幸せを何物にも優先して第一に願うというような、執われのない完全に清らかな行いはできません。しかし、それでも仏法を依りどころとして生きていくことで、他者の喜びを自らの喜びとし、他者の苦しみを自らの苦しみとするなど、少しでも仏さまのお心にかなう生き方を目指し、精一杯努力させていただく人間に育てられていくのです。(ご門主のお言葉より)

2017(平成29)年 “建学の精神”の伝播と醸成

12月 御命日法要 
○ 日時 12月18日(月)16時~
○ 場所 礼拝堂
○ 法話 楠 深水 先生
                         ◎ みなさん、お揃いでお参りください。