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2020(令和2)年5月 今月の聖語・言葉について 2020年05月01日(金)09時00分

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今月の聖語・言葉を紹介します。

今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示

□今月の聖語
世の中安穏なれ 仏法ひろまれ           親鸞聖人 

 筆者の祖父は本校(旧制中学校)の卒業生です。昭和二十一(一九四六)年に卒業しました。現在の人工芝グラウンドは、戦時中には食糧確保のため芋畑だったと聞いています。一九四五年八月一五日の終戦まで、祖父はクラブ活動どころか学徒動員のため工場で武器を作っていたそうです。
 学校で学び、クラブで元気に活動できるのは、「世の中安穏」すなわち世の中が平和であるからです。時代を超えて万人が願う平和。しかし昨今、その「平和」が揺らいでいます。新型コロナのパンデミックにとどまらず、戦争・差別・貧困など。
 聖語で親鸞聖人は「世の中が平和になってほしい、仏教がひろまってほしい」と示されています。聖人は仏さまの声に耳を傾けながら、内面の平和ひいては世の中の平和を仏教に求められた方です。
 二〇二二年四月から成人年齢が十八歳に引き下がります。現高一以下の生徒のみなさんは高三で成人となります。誰かが平和をつくってくれるわけではありません。平和をつくるのはみなさんです。

□今月の言葉
戦いで百万の敵に勝つよりも ひとりの自己に克(か)つひとが まことの最上の勝利者よ。 『ダンマパダ』

 仏教では貪欲(とんよく)(欲張り求めるこころ)・瞋恚(しんに)(怒りのこころ)・愚痴(ぐち)(真実を知らないこと)という煩悩こそ、苦の原因だとされます。仏道を歩む上では、誰かと競争するのではなく、自らの内なる煩悩を克服することが大切だとされます。
 さて、社会は大変なことになっていますが、みなさんは元気に過ごせていますか。政治家やメディアは「人類と新型コロナとの戦い」だといいます。しかし実際の戦いは地道なもので、「Stay Home」とか「マスク着用・手洗い・うがい」です。ワクチンや抗ウイルス薬が流通するまで、我慢強く感染予防に努めるしかありません。まさに、自分との戦いです。
 しかし、自分との戦いは、ウイルス予防だけに限りません。これまでにない在宅時間の長さに生活の乱れが懸念されます。昼夜逆転、暴飲暴食、運動不足、ゲームのやりすぎなど。ウイルス感染による被害はもちろん、生活習慣の劣化による健康被害も心配です。
 しかし、このような時だからこそできることは必ずあります。自分にできることを考えて過ごしましょう。ウイルスにも、そして自己にもうち克つことで、ともに最上の勝利者となりませんか。合掌