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2020(令和2)年5月 御命日法要について 2020年05月19日(火)10時00分

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私たちのちかい
一、自分の殻に閉じこもることなく
  穏やかな顔と優しい言葉を大切にします
  微笑み語りかける仏さまのように
一、むさぼり、いかり、おろかさに流されず
  しなやかな心と振る舞いを心がけます
  心安らかな仏さまのように
一、自分だけを大事にすることなく
  人と喜びや悲しみを分かち合います
  慈悲に満ちみちた仏さまのように
一、生かされていることに気づき
  日々に精一杯つとめます
  人びとの救いに尽くす仏さまのように

 ウイルス学、電子顕微鏡学の世界的権威であった東ひがし昇先生の著書『力の限界―自然科学と宗教』を思い出し、あらためて読んでみた。偉大な科学者の姿に満腔まんこうの敬意を表したい。先生は単に科学者というだけではなく、深い宗教的な世界に生きられた方でもある。特に『歎異抄』によって目を開かれ、さらに、よき師に遇あわれたことを懐かしく回想されている。
ある新聞に寄せられた文では、「自然界における生命バランスはまことに妙であり、一方が他を撲殺したとき、ともだおれの結果をまねく。生命集団のきびしい鉄則が厳存している」と言われ、これは仏教の縁起の思想に通じるものだとおっしゃる。
 この短いことばに謙虚な心を垣間見る思いがする。それは、生命のバランスということは、憍慢きょうまんなこころからは見えてこないように思えるからだ。おごりたかぶるこころからは互いに支え合って生きていくという発想は起こってこないといってよい。
 日常生活でも慢心ということばが使われる。プロ野球のある球団がリーグ3連覇を達成したとき、そのことを報ずる記事の中に、「慢心なき黄金期を迎えました」という活字が目に止まった。時々思い出している。すべてのものは、互いに関係し合いながら成立する。単独で存在するということは考えられない。そのことに気づくとき、謙虚なこころが出てくるといえる。それが人間を輝かすことにつながっていく。そう思えてならない。(O)
「2020(令和2)年5月1日(金曜日)本願寺新報『赤光白光』より」
5月 御命日法要
○ 日時 5月19日(火)13時30分~
○ 場所 講堂
○ 法話 ※勤行(讃仏偈)のみ ◎ みなさん、お揃いでお参りください。