今月の聖語・言葉を紹介します。
今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示
□今月の聖語
善人なおもて往生をとぐ、いはんや悪人をや 『歎異抄』
親鸞聖人が示された有名なお言葉です。日本史や倫理の教科書に示され、かつてセンター試験(現共通テスト)にも出題されたことがあります。「善人でさえ往生できる。ましてや悪人ならなおさらだ」という意味です。
往生というのは、仏の悟りの世界である浄土に生まれるということです。善い行いを積み重ねることで悟りに向かうというのが一般の道理です。ところが、善人よりも悪人こそが往生すなわち悟りに向かうことができるというのは、どういうことでしょうか。
ここでの悪人とは、道徳的に悪いということではなく、阿弥陀仏の願いを聞き、自らの罪悪を深く悲しむ人のことです。また善人とは仏によらずとも、自らの善なる行いによってこそ、悟りに向かえると信じている人のことです。つまり、ここでの悪人とは、道徳的な善悪を超えて、自らが愚かな人間であることを悲しみながらも、そのような存在を対象に「必ず救う」と誓われた阿弥陀仏のお心を慶ぶ人のことをいうのです。
無論、浄土真宗では悪事をすすめているわけではありません。「薬あればとて毒をこのむべからず」という先月の聖語とも併せて味わいたいお言葉です。
□今月の言葉
明るい人はすばらしい 悩んでいる人は尊い 林暁宇
「なぜ私は何をやってもうまくいかないのだろう」
勉強は苦手。クラブ活動も上手くいかない。加えて友達ともうまく付き合えない。悩みを誰にも話したくないし、聞いてくれる人もいない。そんな時、孤独な気持ちになります。暗い人と思われるのが嫌で、明るくふるまおうとしても、どこか空元気。
しかし悩んでいるそこのあなた。悩んでいるということは、あなたが真剣に自分に向きあ
っている証拠。すぐに悩みを解決する方法が見つからなくても、いいじゃないですか。あせらずにじっくり悩み抜くのも大事なことなのです。仏さまはそのようなあなたに寄り添っておいでです。
真剣に悩むあなたの姿は、暗いのではなく、尊いのです。