今月の聖語・言葉を紹介します。
今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示
【今月の聖語】
足ることを知らない者は富んでいても貧しい 『遺教経』
筆者が小学生の時、スーパーファミコンというゲーム機が発売されました。欲しくて仕方がなかったですが、お小遣いでは買えません。親に買って貰えたとき、天にも昇る気持ちでした。
ですが、しばらくすると他のゲームソフトが欲しくなってきます。学校の休み時間、友達から「新しいゲームソフトが出た」と聞きまた欲しくなる。が、一つ数千円ほどの値段は小学生には簡単に手が届かない。欲しいけど買えない。その繰り返しで、最初はゲーム機を買えただけで満足だったのに、いつの間にか不満だらけです。
欲しいものが手に入っても、また欲しいものが出てくる。ものだけではない、地位も名誉も。「足ることを知らない」とはこのようなことです。いつまでも満たされないのですから、精神的には貧しいのです。それを釈尊は「富んでいても貧しい」と仰(おっしゃ)っています。
もちろんお正月のお年玉はうれしいですが、額(がく)の多少に関わらず思い出して下さい。「足ることを知った」時、よろこびはひとしおだということを・・・。
【今月の言葉】
仏法には、明日と申す事、あるまじく候う。 『蓮如上人御一代記聞書』
「明日があるさ明日がある♪」
坂本九さんが歌った八十年代の名曲です。今でもCMで、耳にすることがあります。
さて、予習復習、家の手伝いなど、今日中にすべきことがあっても、スマホ・ゲーム・テレビの誘惑に負けて、「明日があるさ」と後回しにしてしまうことはありませんか。楽観的になることも必要な時もありますが、目先の享楽(きょうらく)に心を奪われ、大事なことを見失うのは要注意。
蓮如上人は「仏法については、明日ということがあってはならない」と、おっしゃられています。人間のいのちは、はかないもので、明日はどうなるかわかりません。にもかかわらず、時間に追われた生活の中では、仏法を聞くということも、おろそかになってしまいがちです。
今月の言葉は、本当に大切にすべきことをついつい後回しにしてしまう我々の姿を言い当てられ、忠告されているのです。