今月の聖語・言葉を紹介します。
今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示
【今月の聖語】
つくべき縁あればともない はなるべき縁があればはなる 『歎異抄』
『歎異抄』という書物の中で、親鸞聖人は人の縁について語られています。私たちは、この聖語のように条件が整えば一緒になり、離れなければならない縁が整えば離れてしまうのです。学校生活で考えてみると、この縁によって、先生と生徒の関係にはじまり、クラスの友人同士やクラブの先輩・後輩と関係が成り立っています。これは人と人との関係に限ったことではなく、今の私はさまざまなつながりの中にいます。これを仏教では「縁起」と呼んでいます。この聖語から、私たちは出会いと別れの縁の中にいることに気づかされます。
さて、いよいよ3月に入りました。3月は卒業シーズンでもあります。ちょうど3月1日に、高三生が卒業の日を迎えました。在校生である皆さんの中には、クラブなどでお世話になった先輩たちが卒業し、とても寂しい思いをしている人もいるでしょう。今は携帯のある時代ですから、お互いに連絡を取り合ったり、これからも会おうと思えば会えます。しかし、本校で一緒に学校生活を送ることはもうできません。そう考えると、縁のあるときはとても貴重な時間でもあり、一つひとつの縁を大切にせずにはおれません。
【今月の言葉】
みんなちがって みんないい 金子みすゞ
今月の言葉は、童話詩人の金子みすゞさんの詩「私と小鳥と鈴と」に出てくる一節です。この詩の中に登場するのは、空を飛ぶことができる「鳥」と、きれいな音を出す「鈴」、そしてみすゞさん本人です。みすゞさんは「鳥」や「鈴」のようなことはできないけれど、「私」は「鳥」よりも地面を速く走り、「鈴」よりもたくさんのうたを知っている。そのことに対して、、「みんなちがって、みんないい」と言っています。私たちは、いつも誰かと比べて生活していないでしょうか。あの人にはできるのに、私にはできないと悲観することさえあります。「私と小鳥と鈴と」の詩には、それぞれできること、できないことがあるけれども、それらに対して優劣をつけるという見方はありません。
ところで、『阿弥陀経』という経典の中に、「青色青光・黄色黄光・赤色赤光・白色白光」という句があります。青い花は青い光を、黄色い花は黄色い光を、赤い花は赤い光を、白い花は白い光を放っているということです。それぞれの色が個性を持ち、力いっぱい咲くことで、一つに調和していくのです。これについては、みなさんの各クラスでイメージすると理解しやすいと思います。それぞれが個性を持ち、それを認め合うことが大切なのだということを、今月の言葉から考えてみましょう。
宗教教育係