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2022(令和4)年8月 今月の聖語・言葉について 2022年08月01日(月)09時00分

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今月の聖語・言葉を紹介します。

今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示

【今月の聖語】
前に生まれん者は後を導き、後に生まれん者は前を訪え
                       『教行信証』
 
 学校生活やクラブ活動などで、「去年まで後輩扱いされていた私が先輩と呼ばれるようになった」。一学期を終えて、そのような経験をした人はいませんか。「亀の甲より年の功」と言われるように、年齢を重ねてこそ得られる経験や知識は、後輩はもっていないもの。先輩は惜しみなく教え、後輩は気兼ねなく聞く。学びの場である学校では、そんな関係が望ましいと言えるでしょう。
 とはいえ現実には、先輩が頼りなくて素直に話を聞けなかったり、後輩が生意気でついつい教えることが億劫になったりすることもあるかもしれません。
 今月の聖語で親鸞聖人は、「さきに生まれたものは後に生まれた者を導き、後に生まれたものは先に生まれたものをたずねていきなさい」と、おっしゃっています。先輩は後輩を導き、後輩は先輩をたずねる。ごく当たり前のことかもしれませんが、今一度、大先輩である宗祖のお言葉にたずねていきたいものです。

【今月の言葉】
善いことばを口に出せ。悪いことばを口に出すな。善いことばを口に出したほうが良い。悪いことばを口に出すと、悩みをもたらす。
                    『ウダーナヴァルガ』
 
 仏教では、人の行為と言葉と心の三つをあわせて、身口意の三業(さんごう)と言います。業とは簡単に言えば行為のことです。それら三つを善いものにすることが悟りを開くために大切だと説かれます。
 例えば、本校の日常の心得に「ことばを大切に」があります。「正確な言葉・やさしい言葉・ていねいな言葉」を口に出すことが大切だということです。仏道を歩み、悟りを開くためにも、また人間関係を良好に保つためにも、それは大切なことなので、善い行為といえるのです。
 しかし翻って私たちのあり方を見つめてみますと、なかなか善いことばを発することができません。自分にとって都合の悪い人に対しては「うざい」「むかつく」と言葉を荒げてしまうことがあるかもしれません。また直接口に出さなくても、悪意を隠しきれないこともあり得ます。たとえ善いことばを口にしても、内心は打算的な意図をもつこともないともいえません。結果、悩みや苦しみを味わってばかりいるのが私たちではないでしょうか。
 仏さまは、そうした私たちのあり方をすでに見抜いて、「南無阿弥陀仏」と真実の言葉となって現れて、「そういうあなたこそ救いの目当てだ」と喚(よ)びかけておられます。実は、南無阿弥陀仏こそ、私たちを悟りに導く「善いことば」なのです。
 いま一度、本校の日常の心得である「ことばを大切に」を深く味わってみませんか。