HEIAN BLOG 宗教教育 BLOG

記事一覧

2022(令和4)年9月 今月の聖語・言葉について 2022年09月01日(木)08時00分

ファイル 513-1.jpgファイル 513-2.jpg

今月の聖語・言葉を紹介します。

今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示

【今月の聖語】
しばらく疑問を至(いた)して、ついに明証(みょうしょう)を出(いだ)す。 『教行信証』

『教行信証』は親鸞聖人によって書かれた書物で、多くの経典や注釈書から言葉を引用されているのが特徴です。そして、親鸞聖人は自身の解釈の後、それを裏付ける仏教の経典やインド・中国・日本の高僧方の著作にある言葉を引用されているのですが、親鸞聖人はたとえ尊敬する高僧の言葉であっても、疑問があれば、明証(明らかな証拠)を見出し、納得がいくまでは「答え」としませんでした。常に「問い」を持ち、「なぜそういう答えになるのか」と疑問を持つことも大事だと思います。  
 学校教育においても、今までは正解のある問題を解き、またその答えを暗記するという暗記型が重視されてきました。しかし、いま学校教育に「探究学習」が取り入れられ、これからは決まった答えがない問題に取り組み、そこから「問い」を立て、その「問い」に対する答えを自ら導き出す力が必要になります。何でも人の話やネット情報を鵜呑みにせず、それに対して自分で調べ、そして考え判断する。そのことを意識しながら、聖語のような視点に立ってみてはどうでしょうか。


【今月の言葉】
仏法に明日ということはない 今日の尊さ 今日のありがたさ  曽我量深

 みなさんは、やるべきことがあるにも関わらず、「明日やろう」と先延ばしにしてしまうことはありませんか。それが面倒に思うことや嫌なことだったりすると尚更です。やらなければならないことはわかっていても、やる気が起きない。時間に余裕があるうちは良いかもしれませんが、先延ばしをしたことによって時間の余裕がなくなり、後になって慌てて取りかかる。そんな経験をした人も多いのはないでしょうか。何でも先延ばす癖がつくと、いつも追い込まれる状況を生み出してしまいます。
 今月の言葉は、仏法に明日はないと教えられます。この「明日はない」という言葉は、今日できたのにやらなかったことが、明日できるとは限らないということを示しています。そして、そこから「今日」という尊さやありがたさに気づかされます。一日は24時間。時間は有限であることを忘れがちですが、やることを決めておかないと、気持ちが緩んでだらだらしてしまい、一日を無駄にしてしまいます。2学期が始まって、勉強やクラブ活動などでやらなければならないことが多々あると思います。やるべきことは先延ばしにせず、自分の中で予定を立てて実行し、時間を無駄にしないように心がけましょう。

宗教教育係