今月の聖語・言葉を紹介します。
今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示
【今月の聖語】
自己にうち克つことは、他の人々に勝つことよりもすぐれている。
『ダンマパダ』
『ダンマパダ』とは、釈尊の教えを集めたもので、人間そのものへの深い反省や生活の指針を短い句によって示したものです。
ここで述べられているように、釈尊は自己に打ち克つことの大切さを説いています。日常生活を振り返ると、私たちはよく周りの人と比較し、そこで優越感や劣等感を感じることがあるのではないでしょうか。もちろん、周りの人からの良い刺激を受け、自らを高めていくことは大切なことです。しかし、本当に重要なことは、自分以外の他と比較して得られるものではなく、自分自身の壁を乗り越えた先にある成長や、自ら掲げた目標に対する達成感ではないでしょうか。
新年を迎えました。今月の聖語で釈尊が示すように、「自己にうち克つこと」を日常の教訓として、今年も勉強やクラブ活動など、自らの目標に日々精進していきましょう。
【今月の言葉】
とおく、いのちをもたずして、今日ばかりと、おもえ 蓮如上人
今月の言葉は、浄土真宗代八代宗主の蓮如上人のお言葉です。「いつまでもいのちがあると思わず、今日だけのいのちかも知れないと思いなさい」という意味です。
みなさんは一休という僧侶を知っていますか。とんちが有名で、実際に室町時代に生きた臨済宗の僧侶です。蓮如上人も一休さんと同じく室町時代の僧侶で、宗派を超えて交流があったことが伝えられています。
一休さんは次のような歌を残されました。
門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし
一休さんは正月に骸骨を竹の棒に差して、「ご用心、ご用心」と言いながら京の都を歩き回ったそうです。正月は新年を迎え、めでたい日です。しかし、一休さんが言うように同時にいつ訪れるかわからない死にも近づいていると言えます。
蓮如上人と一休さんが共通して述べられていることは、無常である今(今日)という時間、いのちの尊さだと思います。新年を迎えたことを喜びつつ、限りある時間やいのちとしっかりと向き合っていきたいですね。
合掌