本日は本校において、10時から報恩講をお勤めしました。報恩講とは、親鸞聖人を偲びつつ、親鸞聖人の教えを聞かせていただく行事です。
法話のご講師は、本願寺派布教使の朝山大俊先生でした。朝山先生は今年が親鸞聖人がご誕生されて850年であることを紹介され、次いで、親鸞聖人が誕生された年(1173年)がどのような状況であったかを、鴨長明の『方丈記』の内容を挙げながら語られました。生まれた時代は違えど、その時代に生きられ出家された親鸞聖人に対しての思いを馳せました。
また、師匠と弟子の関係性から、朝山先生は親鸞聖人の弟子であった唯円坊が書き記した『歎異抄』より、1つのエピソードを語られました。親鸞聖人が「千人の人を殺せば、おまえは必ず往生できる」と唯円坊におっしゃり、「親鸞聖人をいうことには決して背かない」と言った唯円坊が、「千人どころか一人も殺すことはできません」と返答。そのとき親鸞聖人が「おまえが一人すら殺すことができないのは、おまえの中に、殺すべき縁が整っていないからである」とおっしゃったという内容です。「さるべき業縁もよをせば、いかなるふるまいもすべし」とあるように、時代や環境によってどのような行いもしてしまう可能性あるということを、自分の身に置き換えて考えさせられました。