私たちのちかい 一、自分の殻に閉じこもることなく
穏やかな顔と優しい言葉を大切にします
微笑(ほほえ)み語りかける仏さまのように
一、むさぼり、いかり、おろかさに流されず
しなやかな心と振る舞いを心がけます
心安らかな仏さまのように
一、自分だけを大事にすることなく
人と喜びや悲しみを分かち合います
慈悲に満ちみちた仏さまのように
一、生かされていることに気づき
日々に精一杯つとめます
人びとの救いに尽くす仏さまのように
野球の世界大会、第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、日本が劇的な優勝を飾り、多くの人を感動の渦に巻き込んだ。準決勝後の、日本チームで活躍した大谷翔平選手のインタビューだった。けがを押して出場し、献身的に頑張る味方選手などを賞賛し、大谷選手は「身を粉にして、チームのために頑張ってくれている」と語った。若い世代からはあまり聞かない「身を粉にして」という言葉が出てきて驚いた。また、日系人選手のラーズ・ヌートバー選手が日本代表で広めた、両手でペッパーミル(胡椒ひき)をまわすようなパフォーマンスも、「身を粉にして働く」という意味合いだと、実況のアナウンサーが解説していた。「身を粉にして」という言葉。浄土真宗の教えを聞く身としてすぐに思い浮かぶのが、親鸞聖人が最晩年にお書きになった『 正像末和讃』の中にある「如来大悲の恩徳は 身を粉にしても報ずべし 師主知識の恩徳も ほねをくだきても謝すべし」だ。「恩徳讃」として広く親しまれている。「身を粉にして」も返せないほどのご恩を阿弥陀如来からいただき、そして、阿弥陀如来の教えを伝えてくださった釈尊、浄土の祖師方には、骨を砕くほどの感謝をしても感謝しきれない、と受け止められた聖人の言葉である。このたびの慶讃法要を機縁に、あらためて「身を粉にして」お念仏の教えを私に伝えてくださった聖人に深く感謝し、お念仏の道を歩ませていただいている喜びをかみしめたい。
「2023(令和 5)年 4 月 10 日(月曜日)本願寺新報『赤光白光』より」
4 月 御命日法要
○ 日時 4 月 18 日(火)16 時~
○ 場所 礼拝堂
○ 勤行 正信念仏偈
○ 法話 朝山 大俊 師(浄土真宗本願寺派布教使)